昨今、多くの企業でサステナビリティに関する取り組みが加速しています。
弊社では様々なステークホルダーに選ばれ続けるための「サステナビリティ・ブランディング」のご支援を行っており、定期的にノウハウをお届けするセミナーも開催しています。
このたび、マクセル株式会社様よりご依頼をいただき、弊社代表伊佐がサステナビリティに関して理解を深め、一歩踏み出すきっかけを作るための「サステナビリティ講演会」を行いました。
今回はその講演会の開催レポートをお届けします。
【開催目的】マクセル様若手社員が「サステナビリティ」を自分ごと化し、一歩踏み出すためのきっかけを作る
【開催日時】2022年5月18日(水) Zoomを使用したオンラインによる開催
【対象】管理職未満の社員/230名
コーポレート・コミュニケーション本部 サステナビリティ推進部
担当本部長 小原寛様(中央)/部長 白井睦智様(右)/河村友紀様(左)
マクセルでは2021年にマテリアリティを特定し、今年はそのKPI (Key Performance Indicator)を特定して重要課題の改善の進捗状況の見える化、実活動での改善に繋げていくことを進めてきました。これらを事業活動に結びつけることがとても重要であり、同時に社員ひとりひとりがこの取り組みについての理解を深め、腹落ちしなければ、具体的なアクションは期待できません。その点において、私たち事務局は課題を感じていました。そこで「マクセルの社員がサステナビリティを理解し、さらに自分事化して一歩前へ踏み出すためのきっかけをつくる」ことを目的にフォワード様(現:バイウィル)と相談し、本企画に繋がりました。
参加者の感想にも、「社員1人1人の認識、意識、さらに発信力が企業活動にプラスにもマイナスにも大きく影響することを理解した」「自分と会社、社会課題とのつながりが明確になるとモチベーションアップになる」「仕事をするうえで、自分の仕事の役割を明確にしたい」という声が多く聞かれました。
今回企画した講演会で具体的な事例などをお話いただいたことにより、サステナビリティへのさらなる理解と納得を通じて、社員の行動へつなげるきっかけになったと感じています。引き続き、社員の関心を高めるとともに、サステナビリティとの関わりがより具体的な活動に繋がるように働きかけを継続していきたいと思います。
今回マクセル様から講演のお話をいただいた際、「サステナの自分事化」が課題とお聞きしていました。この課題感は、サステナビリティに向き合う多くの企業様で共通していて、その根本にあるのは「サステナビリティという概念が広すぎ、抽象的過ぎる」ことにあると感じています。「世の中にとっての良いこと」「社会の持続可能性を高めること」というレベルの理解では、社員ひとりひとりが「自分事化」できるはずもありません。
各社に求められているのは、”自社にとってのサステナビリティ”を具体的に描き、投資家や株主だけでなく、社員も含めた多くのステークホルダーの理解・共感を得られるカタチでしっかりと発信していくこと。社員に求められるのは、それをポジティブに受け取って、ひとりひとりのパーパスや、自分の仕事と紐づけて未来に想いを馳せることです。
今回の講演では、そのきっかけにできれば、という考えで、世の中の好事例やマクセル様の発信を、
・サステナアクションが、企業にどのような好影響を与えうるか(ボランタリーなものではない!)
・サステナアクションを起こすのは、社員ひとりひとりのアクション(脱炭素などの環境投資だけではない!)
・サステナアクションを考えるきかっけは、意外と身近なところにある(自社のHPなどにもっと興味を持とう!)
というメッセージと共にお伝えしました。
幸い、参加者の皆さんからは多くの好意的なアンケート回答をいただきましたが、これをきっかけに、サステナビリティについてひとりひとりが考え、アクションに繋げて行けることを願っていますし、こうしたきっかけをもっと多くの企業様に提供していきたいと考えています。
ここでは、当日の講演内容の一部をご紹介致します。
【講演内容】
企業がサステナビリティを根幹に位置付けた経営を行う必要がある背景として、米国の主要企業が名を連ねる財界ロビー団体「ビジネスラウンドテーブル」や世界最大級の投資運用会社「ブラックロック」が、株主資本主義からステークホルダー資本主義へとシフトする必要性を打ち出し、そこから世界的な流れとして加速していることをお伝えしました。
さらに、学校教育などを通して「サステナビリティは当たり前」という考えが根付いたミレニアム世代・Z世代が中心を担う時代となれば、「サステナビリティ」を経営の根幹に置いた事業活動を行わない企業は選ばれなくなっていくということも予想されます。
上記のような背景から、顧客や株主にとっての価値だけでなく、サステナビリティ・社会課題に対する姿勢やアクションによって共感や支持を得られる時代になっていること、実際に企業もそのような動きを見せ始めていることを事例を含めてお伝えしました。
「サステナビリティ経営」を行うためには、「経済価値」「環境価値」「社会価値」を別々に捉えるのではなく、下図右側のように3つの価値を統合して事業戦略に落とし込む必要があり、それらを束ねる軸として「パーパス」の存在が大切であることをお伝えしました。
いまや一般的な言葉にもなってきている「パーパス」ですが、パーパスを策定する際には「社会的価値」だけではなく「自社らしさ」が込められていることが重要であること、「自社らしさ」があってこそ社員や従業員の求心力となることをお伝えしました。
マクセル様ではパーパスに近い概念として「独創技術のイノベーション追求を通じて持続可能な社会に貢献する」というミッションが制定されています。「独創技術のイノベーション追求」という自社らしさと、「持続可能な社会に貢献」という社会的価値の両方が含まれた好例と言えるでしょう。
まとめとして、企業にとってのサステナビリティ成功のポイントとして、「スタンス変革」「スタンス表明」「浸透・社員の共感」「具体的アクション」という4つのポイントがあるとご説明しました。
こちらでご紹介したのはごく一部の内容です。講演中には、Zoomのチャット機能を通してリアルタイムで質問や感想を送っていただいたり、最後のQ&Aコーナーでは数多くの質問をお寄せいただいたり、社員の皆様が積極的にご参加くださったのが印象的な講演会となりました。
最後に、講演にご参加いただいた社員の皆さんからアンケートにて沢山のご感想をいただきましたので一部をご紹介します。
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