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脱炭素経営を加速!非化石証書とは?種類や違いをわかりやすく解説!

作成者: 株式会社バイウィル|2023.05.29

非化石証書とは?

石炭や天然ガスなどの化石電源を元に発電された電力は、発電時に二酸化炭素が排出されているため、電気そのものとしての価値しかありません。一方、非化石電源を元に発電された電力には、電気そのものとしての価値以外に、「二酸化炭素を排出しない」という環境価値があります。この環境価値を、電気自体の価値と切り離し、取引できるように証書化したものが非化石証書(Non-Fossil Certificate, NFC)です。

非化石証書の種類

非化石証書には3つの種類があり、それぞれ特徴があります。

① FIT非化石証書(再エネ指定あり)
FIT(Feed-In Tariff)とは、再生可能エネルギー発電設備による電力の売電価格を国が設定し、電力会社がその価格で買い取る制度のことです。FIT型非化石証書には、再生可能エネルギーのうちFIT電気として認められている、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスエネルギーなどの発電量が該当します。

②    非FIT非化石証書(再エネ指定あり)
再エネ指定ありの非FITは、FITと異なり、売電価格は国が設定したものではなく、電力会社と発電元が協議して決定されるため、一般的に市場価格での取引となります。また高度化法義務達成市場(小売電気事業者の非化石電源比率目標の達成を後押しするために創設された市場)での扱いとなっているため、小売電気事業者のみ証書の購入ができます。再エネ指定ありの非FIT型非化石証書は、FIT非対応の再生可能エネルギーに対して発行されます。これには大型水力や卒FIT(以前までFIT電気だったもの)が該当します。この証書は、再エネ割合の達成に加算されます。

③    非FIT非化石証書(再エネ指定なし)
再エネ指定ありの非FIT非化石証書と同様に、一般的に市場価格での取引となり、高度化法義務達成市場で扱われているため、小売電気事業者のみ購入ができます。再エネ指定なしの非FIT型非化石証書は、上記の大型水力や卒FITに加え、原子力などの再エネ以外の非化石電力が含まれます。この証書は、再エネ割合の達成には加算されませんが、企業のCSR(企業の社会的責任)活動などで利用されることがあります。

トラッキング付き非化石証書とは?

非化石証書は再生可能エネルギー由来の電力使用を証明するためのものです。しかし、非化石証書が正しく発行され、再生可能エネルギーの使用が適切に証明されているかどうかは、購入者側には分かりません。そこで、最近では「トラッキング付き非化石証書」という新しい種類の非化石証書が登場しています。

トラッキング付き非化石証書は、再生可能エネルギー発電設備で発電された電力が、実際に電力系統に供給されたことをトラッキング(追跡)することができる非化石証書のことです。トラッキング技術を用いることで、電力供給源から電力使用者までのエネルギーフローが追跡され、発電者の情報や電力が正確にどこで使われたかが証明されます。このトラッキング付き非化石証書は、電力の取引において、購入する側により高い信頼性をもたらします。これは、再生可能エネルギーを使用することでCO2排出量を削減することができるという環境的な利点をより正確に証明できるためです。

トラッキング付き非化石証書は、非化石証書の中でも最も厳密な基準を満たす証書であり、再生可能エネルギー発電設備を所有する企業や個人にとって、エコロジカルなエネルギー利用をアピールする上で非常に有効です。また、トラッキング付き非化石証書のみ認めているRE100の参加企業にとっては朗報であり、トラッキングシステムにより非化石証書の約定量は格段に伸びています。

ここまで非化石証書とはなにか、ということについて説明してきました。カーボンニュートラルを達成するための手段の1つとして非化石証書の購入を考えてみてはいかがでしょうか。