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2022年 未来につながる周年事業を実施した企業

作成者: 株式会社バイウィル|2023.02.17

こんにちは。
インターン生の海野です。

2022年も多くの企業が周年を迎え、様々な周年事業が展開されました。

企業にとっての周年は、祝賀や感謝を行う大切なタイミングでもありますが、それだけでなく「未来のための変革の機会」として捉えることで、周年以降の企業活動をより良いものにすることも期待できます。

今回の記事では、2022年に周年を迎え、社内外に対して「自社の未来につながる施策」を行った企業3社をご紹介します。

周年事業のポイント

我々の考える企業の周年とは、「未来のための変革の機会」です。

周年事業と聞くと、周年を迎えられたことの祝賀や感謝の催しを思い浮かべる方も多いかもしれません。このような施策は、過去から現在に至るまでを振り返る機会となり、ステークホルダーとの信頼強化や、社員の自社に対する誇りを高めることなどにつながる大切な取り組みです。

しかし、我々の考える周年事業とは、祝賀や感謝のように、過去から現在を振り返るだけでなく、現在から未来への視点も取り入れることによって、企業価値をより大きく向上させる施策にするというものです。周年を「人や組織の意識や行動を変えるきっかけ」として捉え、未来を意識した施策を行うべきだと考えています。

 



多くの人や組織は、無意識的に何らかの区切りや節目によって意識や行動のマネジメントを行っています。企業における周年も、そのような節目であり、意識や行動を変えるきっかけとなりうるものなのです。

つまり周年とは、これまでの企業活動を祝う機会というだけでなく、これまでの自社の在り方を見直し、経営課題の解決を図るための転換点としても捉えられるということです。

具体的な例を挙げるとすると、社員に対する理念の浸透や、消費者からの認知の向上などを目的とした施策を行うことなどが考えられます。

↓周年事業についての詳細はこちらのブログもご覧ください。

https://www.forward-inc.co.jp/blog/2021/06/30

2022年に周年を迎えた企業

2022年に周年を迎え、「未来を意識した」施策を行った企業3社の事例をご紹介します。

 

※本記事は、ウェブ上に公開されている情報に基づいて作成しています。
記載内容に関するご指摘や修正依頼につきましては、こちらよりお問合せください。

事例① 株式会社小学館

株式会社小学館は2022年8月に創立100周年を迎えました。

【主な取り組み】
  • 特設サイトの開設

こちらのサイトでは、「0(ゼロ)から考えよう。」をキャッチフレーズに掲げており、拡大を続ける出版業務を7つのテーマに分け、各テーマで新規事業などに取り組む社員へのインタビューを掲載しています。インタビューからは、出版社としての強みを活かしながら、これまでの出版業にとらわれずに挑戦していくという社員の方々の意気込みが伝わります。

例えば、図鑑に載っている動物をデジタルで再現するミュージアムのオープンに携わり、動物の姿や動きなどを監修した方のインタビューでは、「子どもたちから、新しい好奇心の引き出し方ができたことに対して手ごたえを感じる」といったことが語られており、「これまでの出版業の枠を超えて挑戦する」ということを体現しているエピソードだと感じました。

特設サイト:https://www.shogakukan.co.jp/zero/

  • 記念ムービーの公開

ムービーでは、小学館の創成期が中心に描かれており、多様な雑誌・書籍群を擁する日本有数の総合出版社らしく、創作の楽しさを味わえる仕掛けが、次々と続く展開となっています。予告編が公表された時点で多くの再生がされており、世間からの注目度の高さもうかがえます。

15分を超える短編映画のようなムービーで、これまでの歴史を詳細に振り返り、最後に「さあ、0から考えよう」というメッセージが残されるという構成からは、これまで積み上げてきた歴史の重みを感じながら、その上でこれまでの在り方にとらわれずに挑戦していこうという企業の未来に向けた姿勢が感じられました。

記念ムービー:https://www.shogakukan.co.jp/pr/100th-movie/


【取り組みがもたらす効果】

小学館の周年事業では、100年の歴史を振り返るとともに、今後の自社の目指す姿の発信が行われていました。

特設サイトに掲載されている社員の方たちのインタビュー記事からは、これまでの出版業務の幅を超えて、新規事業などに取り組む様子を知ることができます。これらのインタビュー記事では、これまでの取り組みの内容や背景にある思いを紹介するとともに、これからの目指していきたい姿勢を発信するものであるといえるでしょう。

記念ムービーからも、これまでの歴史を次の100年に繋げていくという意志が感じられました。

また、これからの会社の目指す姿を体現しているような社員のエピソードの紹介は、社外向けの発信だけでなく、社員に対して会社の考えを発信する効果もあると考えられます。「0から考えよう。」というキャッチフレーズも、社内に対して呼びかけているような印象を受け、「前例にとらわれず、新たなことに挑戦してほしい」という従業員へのメッセージとしても考えられます。

(参照)

事例② 株式会社大創産業

株式会社大創産業は2022年3月に創業50周年を迎えました。

【主な取り組み】

  • 特設サイトの開設

大創産業の歴史や現在活躍している従業員のエピソード、50周年企画の内容などが紹介されています。

創業時に関するエピソードやインタビューで伝えられている「商品の品質にこだわる姿勢」や「従業員の温かさ」が、現在の大創産業についてのエピソードからも感じられ、創業時からの大創産業の良さが現在まで一貫して続いているということが伝わります。

大創産業の原点である矢野商店の時代から「良い買い物ができた」というお客様の笑顔が原動力だったという話や、そういった企業姿勢が支持されて事業を展開してきたという歴史を知ると、商品の品質にとことんこだわるという現役社員の方のインタビューにも思わず納得させられます。

特設サイト:https://daiso50th.com/index.html

  • 子どもたちとの新商品企画・開発(「ダイソーれたことやる課」)

創業50周年企画として、「ダイソーれたことやる課」の商品開発アンバサダーに任命された15歳までの子どもたち19人が大創産業の社員と商品企画を行ったそうです。2022年4月に発足し、集まって会議を重ね、集まったアイデアの中から選考された52アイテムの商品化が実現し、2023年1月に発売されたとのことです。

これまでの常識を覆すような新商品を企画・開発したいという思いのもと行われたようで、特設サイトで紹介されている写真からは、子供たちとダイソーの担当者・バイヤーが真剣に企画を考える様子が伝わります。

 

上記の取り組み以外にも、ダイソー商品を使ったDIYフォトコンテストや商品の人気投票を行う商品総選挙、日用品増量キャンペーンなどが実施されていました。

 

【取り組みがもたらす効果】

大創産業の50周年事業としては、感謝やお祝いを感じさせるような増量キャンペーンやフォトコンテストだけではなく、これからも大切にしていきたい大創産業の企業としての強みを伝えるような施策が行われていました。

特設サイトでは、これまでの歴史と現在のエピソードが紹介され、一貫した「品質へのこだわりの姿勢」や「従業員の温かさ」を感じました。また、子どもと一緒に行う商品開発や、商品の人気投票を行う商品総選挙には、お客様を楽しませるような商品を作りたいという企業姿勢が表れており、自社商品の開発を始めた過去のエピソードからの繋がりを感じました。

消費者の目線からこうした施策を見ると、これまで企業が築いてきた歴史の紹介があるからこそ、過去からの継続性を感じ、現在の企業の強みに対する納得感が増すのではないでしょうか。

また、従業員の目線からは、自社の歴史をあらためて知り、現在活躍している従業員のエピソードを知ることによって、自社に対する誇りや今後の方向性への共感が生まれると考えられます。

(参照)

 

事例③ 旭化成株式会社

旭化成株式会社は、2022年5月に創業100周年を迎えました。

【主な取り組み】

  • 新企業CMの放映

100周年を機に企業CMの刷新を行ったそうです。新CMでは、環境問題や超高齢化社会など、世界で抱えている様々な課題を乗り越えて、明るい未来を目指していくという旭化成の前向きな姿勢が表現されています。

こちらのCMに併せて、新広告キャンペーンのスペシャルサイトも開設されており、広告の紹介とともに、広告に登場するキャラクターによる社会課題についての解説と、その課題に対応する旭化成の取り組みの紹介がなされています。

新CM/スペシャルサイトについてのプレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000079452.html

  • 特設サイトの開設

旭化成100周年サイトでは、旭化成の100年間の歴史を様々な切り口から知ることができます。今後の方向性や企業姿勢などについての具体的な言及はされていませんが、各コンテンツの紹介文や、会長のメッセージなどから、「過去を振り返ることによって、これからの企業活動の中でも大切にしていくべきことを考える」という姿勢が感じられます

サイト内の各コンテンツには、「社会の変化を先取りして挑戦すること、そして自らも変化していくこと」や、「お客様の視点に立って、新しい価値を創造し、貢献する」といったことが繰り返し書かれており、「挑戦」と「変化」を感じるエピソードが多く掲載されています。

  • 社員向けオンラインイベントの開催

新たな挑戦と成長に向けた従業員のエンゲージメント向上施策の一つとして、グループ初の従業員向けグローバルオンラインイベントを行ったそうです。次の100年に向け、グループが過去から築き上げてきた旭化成らしさを再認識すること、そして新しい旭化成グループへと変革していくために重要な一人ひとりの想像力を発揮することを目的に、計10の映像プログラムを全世界にオンライン配信したとのことです。

例えば、旭化成グループの歴史を彩るエピソードを映像化したものを配信し、創業者の開拓者精神や、多様な人財や技術から成る総合力、“いのち”と“くらし”への貢献といった、旭化成のDNAの再認識を行ったそうです。

 

【取り組みがもたらす効果】

旭化成の100周年事業では、社外に対しては、未来に向けた企業としての姿勢を発信し、社内に対しては、過去の振り返りを行うことによって、これからも大切にし続けてほしい価値観を改めて伝えるような施策が行われました。

周年を機に刷新された広告では、過去から現在に至るまでの振り返りではなく、現在から未来にかけての視点で、「明るい未来」を目指す企業姿勢が発信されています。こちらの施策は、主に社外に対する発信であると考えられます。

その一方で、社員向けオンラインイベントや100周年特設サイトなどでは、挑戦と変化を繰り返してきた旭化成の歴史が詳細に紹介されており、これらの施策には、従業員にこれまで築いてきた「自社らしさ」を再認識させる狙いがあるのではないかと考えられます。

(参照)

 

今回の記事では、3社の周年事業についてご紹介しました。

周年を迎えられたことの祝賀や感謝だけでなく、これまでの歴史を踏まえた上で、これからの企業活動をより良いものにできるような施策であったといえるのではないでしょうか。

過去を振り返ることのできる周年というタイミングは、その振り返りを未来につなげられるような施策を行うことで、企業を大きく成長させる機会となり得ます。

これから周年を迎えられる企業の方は、ぜひ祝賀や感謝にプラスして、「未来につながる施策」を検討してみてください。


最後までご覧いただきありがとうございました。