バイウィル、JAなめがたしおさい・JA三井リースと連携協定を締結 「初期投資ゼロ」の空調導入とJ-クレジットの「収益還元」で、持続可能な農業の実現に向けた実証実験を開始
PPAモデルとJ-クレジット制度の活用により、初期投資ゼロでのハイブリッド空調導入と燃料コスト削減を両立する新たな農業経営モデルの構築へ
日本全国47都道府県のカーボンニュートラル実現を目指す株式会社バイウィル(本社:東京都中央区、代表取締役社長:下村 雄一郎、以下「バイウィル」)は、なめがたしおさい農業協同組合(本所:茨城県行方市、代表理事組合長:金田 富夫、以下「JAなめがたしおさい」)およびJA三井リース株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 社長執行役員:新分 敬人、以下「JA三井リース」)と、ピーマン栽培のビニールハウスにおけるヒートポンプ導入の実証実験及び事業化推進に関する連携協定を締結しました。
(写真左から)JA三井リース 東日本営業本部 宇都宮支店 支店長 金子 高大様、 JAなめがたしおさい 代表理事組合長 金田 富夫様、
バイウィル 代表取締役社長 下村 雄一郎
本実証では、農家が初期投資を負担せずに設備を導入できる「PPAモデル(熱供給サービス)※1」と、CO2削減効果を価値化する「J-クレジット※2」を組み合わせることで、環境負荷低減と農業経営の持続可能性向上を目指します。
※1:PPAモデル(熱供給サービス)とは、Power Purchase Agreement(電力販売契約)の略で、本来は電力の売買契約を指す用語。本実証においては、事業者が設備を保有・管理し、機器を貸与される農家側は供給された「熱」の対価(サービス料)のみを支払う仕組みを指す。農家は資産として設備を購入する必要がなく、初期投資ゼロでの導入が可能になる。
※2:J-クレジットとは、森林経営や省エネ設備の導入等、事業者による脱炭素活動により得られたCO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証したもの。
【協定締結の背景と目的】
昨今の原油価格高騰や環境意識の高まりを受け、施設園芸などの農業現場では、燃油コスト(重油代など)の削減とCO2の削減が喫緊の課題となっています。その解決策として、高い省エネ性能を持ち、栽培環境の改善にも寄与する「ヒートポンプ」の有用性は広く認められています。
しかし、導入には高額な初期費用がかかるため、農家にとっては大きな経済的負担となり、普及が進んでいないのが現状でした。 本取り組みは、PPAモデルの活用により、農家による初期投資ゼロでの高効率ヒートポンプ導入が可能となるスキームの構築を目指します。 本システムは、既存の重油ボイラーとのハイブリッド稼働により、削減される重油量を計測するだけでなく、「農作物の品質・収量の改善」の可能性も検証していきます。具体的には、冬季の湿度コントロールによる病虫害の抑制や、従来の農業現場では導入が遅れていた夏季の「冷房」活用による高温対策など、通年での高度な環境制御により生産性を高めることも目指します。
さらに本スキームでは、ヒートポンプ導入によるCO2削減量を「J-クレジット」として創出・販売し、その収益を本事業の運営費等に充当することを検討しています。これにより、農家が支払う熱供給サービスの利用料を抑制し、実質的な「営農コストの低減」を目指しています。「生産性の向上」と「コスト低減・脱炭素」を同時に叶えることで、持続可能な農業経営モデルの構築を実現します。
【実証実験の概要】
●内容
PPAモデルにより導入したヒートポンプと既存ボイラーを併用する「ハイブリッド空調システム」の稼働実証を行います。 あわせて、本システムによるCO2削減量をJ-クレジット化し、その売却益を農業経営に還元する新たな農業経営モデルの有効性を検証します。
●実施場所
JAなめがたしおさい管内のピーマン栽培ハウス(約9a)
●期間
締結日より最長3年間
【三者の役割】
●JAなめがたしおさい
・ 実証実験の場所(施設・農地等)の提供および営農管理
・ 組合員への普及に向けた実証成果の共有・協力
●JA三井リース
・ 本実証実験における支援
・ 実証成果を踏まえた、事業化フェーズにおけるファイナンス機能(リース等)の提供検討
●バイウィル
・ 実証実験の全体スキーム設計および運営主導(PPAモデルの構築)
・ 設備導入、データ計測、効果検証
・ J-クレジット創出の手続き・管理および販売先の探索
【今後の展望】
本実証実験を通じ、農家が経済的負担なく、農業経営に効率的かつ効果的な技術の導入し、地域の脱炭素にも貢献できる「収益性向上×環境貢献型の農業経営モデル」を確立します。
事業化フェーズにおいては、JA三井リースによる「ファイナンス機能(リース等)」を活用したヒートポンプ導入スキームから、バイウィルによる「J-クレジットの創出・販売」、そして農家への還元に至るワンストップモデルを構築し、全国へ展開します。これにより、初期投資のハードルにより省エネ効率の高いヒートポンプ導入を断念していた農家へ機会を提供し、コスト削減と生産性向上による「持続可能な農業経営」を通じて、地域産業である農業の更なる発展と「地域脱炭素」の実現に貢献してまいります。
【JAなめがたしおさい】
■名称:なめがたしおさい農業協同組合
■本所:茨城県行方市麻生3346-25
■公式サイト:https://ja-ns.or.jp/
■代表者:代表理事組合長 金田 富夫
■事業内容
営農経済事業、信用事業、共済事業、葬祭事業
【JA三井リース】
■社名:JA 三井リース株式会社
■本社:東京都中央区銀座8-13-1 銀座三井ビルディング
■公式サイト:https://www.jamitsuilease.co.jp/
■代表者:代表取締役 社長執行役員 新分 敬人
■事業内容
賃貸事業、割賦販売事業、各種ファイナンス事業、その他付帯事業
【バイウィル 会社概要】
■社名:株式会社バイウィル
■本社:東京都中央区日本橋2-3-21 群馬ビル6階
■公式サイト:https://www.bywill.co.jp/
■代表者:代表取締役社長 下村 雄一郎
■事業内容:
・環境価値創出支援事業(カーボンクレジット等の創出)
・環境価値売買事業(カーボンクレジット等の調達・仲介)
・脱炭素コンサルティング事業
・ブランドコンサルティング事業
【本リリースに関するお問い合わせ先】
株式会社バイウィル 広報担当
e-mail:info@bywill.co.jp
TEL:03-6262-3584(代表)