大きく二つの仕事をしています。
一つ目は、お客さまがお持ちの環境価値をJ-クレジット化すること。
もう少し具体的にお伝えすると、環境価値をJ-クレジット化するには、制度事務局が定めた規定に則り、様々な書面の作成、証憑の回収、審査機関/制度事務局とのコミュニケーションなど、数多くの手続きが必要となります。これらを代行するのが、私が所属する創出支援部です。
私たちにとってのお客さまは、弊社のパートナーサクセス部とお話いただき、弊社をJ-クレジット化のパートナーとして選んでくださった、各地で脱炭素に取り組む方々です。申請に必要な情報をご提供いただくなど一丸となって、J-クレジット化に必要な各種手続きをクリアしていきます。
二つ目は、システム/プロダクトの構築です。
例えば、プログラム型プロジェクト(*)の入会審査や会員データの管理を簡単にするシステムを作っています。また今後は、全社のビジネスを包括的にデータ化し、効率化していくことを目指して日々試行錯誤しています。
そのほかにも、新規事業にまつわるリサーチなど、実は様々なことを進めていますが、今回は一つ目の仕事にフォーカスしてお話できればと思います。
環境価値(J-クレジット)という視点を通すことによって、今まで関わってこなかった様々な事業者や自治体のことを知れることが面白さのひとつです。
例えば、森林組合がどのような仕組みで具体的にどのような仕事をしているのか、バイオマスによりどのようにボイラーを稼働させているのか、太陽光発電はどのくらいのパネルのサイズでどのくらいの電力量が賄えるのか、自治体はどのようなことに関心を持って動いているのか……など、この仕事をするようになって初めて知ったことは、挙げればキリがありません。
そのような知識を得たことで日本全国の様々な環境価値を知り、日本のことをより好きになれる仕事だと思います。
また、業務の振れ幅にも面白さを感じています。審査のために森へ出向いたり、行ったことのない土地に行ったりとフィジカルな面白さを感じる瞬間がある反面、次の日には海外クレジット制度の事例をひたすらPCに向かって調査したりと、体験する業務の幅が広いことも特徴かと思います。
難しさは、制度の曖昧さや変更にうまく対応することです。
J-クレジット制度は始まって10年ほどですが、方法論(クレジットの創出方法)も随時追加されており、まだまだ先行事例が十分に豊富とは言えません。
自分たちで調べ、実際にお客さまと議論するなかで進むべき道を見つけることが苦ではない人には、とても面白い環境だと思います。
入社の決め手は「市場の大きさ」と「余白の大きさ」です。
環境への取り組みの必要性は、国際的な取り決めで定められており、今後必ず拡大する市場です。かつ、どのようにして日本および世界の脱炭素を進めていくかについては議論の余地がまだまだあるため、他の産業と比較しても、バイウィルのようなベンチャー企業が風穴を開ける存在になれる可能性が大きいと感じました。
会社および人の成長は、どの土俵で戦うかが非常に重要だと考えているため、このような産業だと理解できたことが入社に繋がりました。
1つは、働くことで“社会を良い方向に向かわせる一助になっている”という実感を持てることです。どこかの記事の引用なのですが、”自身の仕事が社会を良くしている”と感じられる職は現代社会にそう多くないそうです。かつてはモノを作れば売れ、人々の生活水準が上昇し、日本のGDPが上がる、そんな時代もありました。現代社会はモノに溢れ、社会における垂直的な改善余白は少ない。そんななかで環境に向き合う仕事は、自身の奉仕欲求を充足させてくれるものだと思います。
2つ目は、会社規模に対してカルチャーや各種制度が整っていること。会社のカルチャーとして「自由闊達な議論や行動はもちろんOK。ただし、足下のことをきちんとやろう」という風土があります。私たちはこのような風土を、「大人ベンチャー」と呼んでいます。
カルチャーだけでなく、人事制度や労務なども50名規模の会社とは思えないほどきちんとしているため、安心して働くことができます。
一言で言うと、「戦闘力/実行力」です。
多分に自戒を込めてですが、立てた目標を必ず達成する、今日やると決めたタスクをやり切るといった部分をもっと積み上げる必要があると感じます。
一方で、これらはすぐに積み上がるものではなく、自分たちが自身に課したハードルをどれだけ超えつづけられたか、という実績と比例します。まだ2年目に突入したばかりのバイウィルなので、これからが楽しみです。
会社として、まずはクレジット創出/販売の分野で日本一となり、グローバル進出の足がかりを掴みたいです。また、脱炭素の技術分野にも何かしらの形で進出し、底の深い会社になりたいと考えています。
クレジット創出支援部 部長 K. Okawachi東京大学卒業後、新卒で株式会社フォワード(バイウィル旧社名)へ入社。多業種のブランドコンサルティング業務を経験。 |