本レポートは「バイウィル カーボンニュートラル総研」による、脱炭素に関する国内外の最新動向の分析から今後の展望をまとめたカーボンニュートラル総研年刊 2025年版です

2025年は、年初からアメリカの「反・カーボンニュートラル」の表明など、気候変動対応への逆風が強まる懸念とともにはじまりましたが、年間を通じて振り返ると、多くの国でネットゼロを目指す野心は維持され、今後のアクションを維持・強化するための様々な政策や炭素市場の動きがありました。総じて、カーボンニュートラルの潮流は維持されていると捉えてよいでしょう。

しかし、人類史上初と言って過言ではない、地球規模のメガトレンドである「カーボンニュートラル」は、未だ模索期と言わざるを得ません。とりわけ、企業のGXには、高い壁がいくつも存在しています。その最たるものは、短期と長期・収益とサステナビリティ・財務と非財務が統合されず、二項対立的に捉えられたままであることでしょう。このままでは、企業のネットゼロも、NDCも、地球規模のカーボンニュートラルも、実現することはできません。

企業経営に必要とされていることは何なのか?多くの企業経営者は、GXの重要性を認識しつつも、そのための戦略的な投資判断に踏み切れずにいます。そして、根底には「ルールが決まっていないから」「不確実性が高いから」というスタンスが垣間見えます。しかし、この過去パラダイムに捉われた企業経営観が、海外大手企業と日本企業の企業価値・成長性の明確な差として表れ始めています。

今こそ、日本の企業経営者・GX責任者の皆さんは、持続的成長可能性を最大化することと、真に向き合わねばなりません。

本書は、

・今一度GX領域を俯瞰しつつ、危機感を共有する
・カーボンプライシングを予測し、企業のGX戦略投資を展望する
・「脱炭素」そのものを目的化するのではなく、広い視野で長期成長戦略と統合する

ことを目的に、2025年の弊総研レポートや、有識者の皆さんとの対談をまとめ直しています。

GXの歩みを止めず、更に加速させていくヒントとなることを願います。

<レポート構成>

1.対談①反・脱炭素への強烈な揺り戻し
2.レポート①日本の脱炭素の現状と課題 ~ 2030年以降も、ネットゼロに向かい続けるために~
3.対談②日本のカーボンプライシングを読み解く: 歴史からGX-ETSフェーズ2、そして未来の戦略へ
4レポート②日本のカーボンプライシングを予測する ~日本のカーボンプライシング予測から、 企業が今、何をすべきか考える~
5.対談③カーボンクレジット格付けが切り拓く脱炭素の未来
6.対談④COP30徹底解説:  現場で見えた「実行」への転換点と、脱炭素がもたらす 「コベネフィット」の未来
7.CONCLUSION終わりに