概要
リクルーティング、コーポレートコミュニケーション、マーケティングといった領域におけるあらゆる課題をWebサイトやムービー制作のクリエイティブを通して解決する揚羽様。クライアントとの価格交渉の際に「値引き」が数多く起きていたこともあり、交渉力研修を導入。交渉学の原理原則に基づいた基本的な概念~即効性のあるテクニックを学んで頂いた。
ご提供サービス
交渉力研修&フォローメール
そもそも価格交渉ができていなかった
――――――まず、御社における交渉シーンを教えてください。
米田氏:主に2パターンあります。1つはクライアント様との交渉。もう1つは提携している外部パートナー様(コピーライターやデザイナー)との交渉です。特にクライアント様への提案内容のプランニングと価格提示は、最も交渉力の問われる部分です。
――――――どのような課題があったのでしょうか。
佐々木氏:最も課題と感じているのはクライアント様との金額交渉のシーンです。何が課題かというと、「そもそも交渉をしていないこと」だと考えています。本来の価格設定は、原価に工数を加味して提案し、先方の予算と擦り合わせていくのが普通だと思うんです。ですが、弊社でよく起きているのは、最初から先方の予算を聞いてしまい、その予算に合わせて価格設定をしてしまっているということです。値引き権限の上限は決めていますが、その権限内の値引きが常態化してしまっています。提案もその価格で行うので、最終的に大幅な値引きが起きてしまっています。商品が無形でアウトプットが定量的に見れないため、営業も良い商品ということはわかっていても自信を持てていない感じがするんです。
米田氏:弊社の強みとして、クライアント様の“分身”と思われるくらいに「企業理解」に力を入れています。そのおかげか、納品後の顧客満足度調査でも有難いことに「同じ温度感で同じ目線で最後までついてきてくれる」と言ってもらえることが多いです。ただ、そのような熱い想いやビジョンは担当者には共感して頂けるのですが、決裁者からはどうしても予算の部分で受け入れられないことが多くて、値引きが頻繁に起きてしまっていると思います。
あとは、本当はもっと商品に価値があるにも関わらず、お客様想いのメンバーが多いので、「お客さんに申し訳ないから…」という気持ちのみで価格を下げてしまうことも多いです。会社も利益を上げなければ大きくなっていけないので、こういった課題はずっと持ち続けていました。
人事部 マネージャー 米田様
佐々木氏:このような課題を持っていた中で、フォワード(現:バイウィル)さんから「交渉力研修」のお話を聞きました。業態や業種も我々に似ていましたし、交渉に特化した研修を受けたことがなかったので導入を決断しました。
「交渉=悪いこと」から「交渉=問題解決の共同作業」というマインドセットへ
――――――研修の内容について印象に残っていることはありますでしょうか。また、そこで得られた気づきなどがあれば教えてください。
米田氏:研修を受ける前までは、営業メンバーの中に「交渉=悪いこと」という間違った認識が蔓延していました。ですが、研修を通してその認識が「交渉はしても良いもの」に変わったことが一番大きかったですね。その他にも、交渉に関する様々な概念の理解から実践に落とし込んでいくためのポイントまで、非常にわかりやすかったです。あとは、日頃交渉が上手くいかない理由について研修やアンケートを通じて詳しく把握できたことも良かったです。
具体的には、
・交渉に対して「駆け引き」という考えを持っている
・交渉相手の表情やその場の雰囲気に耐え切れず値下げの話をしてしまう
・失注を恐れて、つい値引きの話をしてしまう
・「費用がネックになる」と思い込んでいるから自分から先に予算を聞いてしまう
など、交渉に関する現場のリアルな課題が明確になったことは大変良い気付きになりました。
佐々木氏:あとは、最後の総合演習のワークには私も参加したのですが、非常に楽しかったです。ゲーム感覚で理解から実践、そして応用できるような内容でした。交渉という行為に対して「問題解決のための共同作業」というマインドセットができたのは非常に良かったです。
また、わかりやすく実践しやすいという学びの「質」の部分もそうですが、学びの「量」も多かったです。今まできちんと言語化できていなかった考え方や、新しい概念を知ることができましたね。共通言語化しやすい言葉もあったのでそこも良かったです。今、「Best Option(交渉学でいうBATNA)」という言葉は社内の色々なところで聞きますね!
営業部 部長 新規事業開発室ビズミル事業部 佐々木様
――――――今後に向けた課題などがあれば教えてください。
佐々木氏:まだまだ、実際の交渉場面においてメンバーが研修内容を活用できているとは言えません。一方でマネージャーレベルでは少しずつ意識が変わってきており、一方的な譲歩をするのではなく、相手にも譲歩してもらえるような交渉を意識することが出来るようになってきています。
米田氏:今回の研修が意識の変化になってきているので、今後は継続的な意識づけであったり、実際の交渉場面への接続の部分が大事だと思います。そのあたりは今後、フォワード(現:バイウィル)さんのフォローメールや、社内での勉強会等を通じて高めていきたいと思います。
理由のない値引きは自分たちの仕事の価値を下げることに当たるので、自分たちは良い仕事をしていることを改めて認識してほしいです。目に見えるモノがない分、自分たちの知識や姿勢、クライアント企業様の理解など、時間・工数を使って良い商品を生み出しているのでそこに自信を持ってほしいです。
佐々木氏:クライアント企業様のことを想うことは我々の強みですし、そこは今後も一番大事にしてほしいですが、自社の利益のことも考えて行動できるようになってほしいです。そうすると極力値引きをしないことも重要ですし、その結果金額の面で失注してしまうこともあると思います。それでもその経験から何かを得て次に繋げること、そうして組織としての交渉力を高めていって欲しいです。
――――――本日はありがとうございました。
(掲載されている所属、役職およびインタビュー内容などは取材当時のものです)
担当者の想い
私も営業という仕事柄、様々な企業様と「交渉」を行いますが、揚羽様の従業員の方々から出てくる悩み1つ1つに「うんうん、そうなるよね」という思いが非常にありました。特に価格提示に関しては、どうしても強気になれず、「何か悪いことをしているのでは…!?」という先入観をもってしまうことが多々ありました。
しかし、私自身「交渉力研修」に出会い、「交渉」に対する認識が180度変わりました。
今回の揚羽様での「交渉力研修」においても、次の日から組織内で共通言語化されているということをお伺いし非常に嬉しかったです。研修は効果検証が難しいものではありますが、研修が行われてすぐに組織に浸透しやすい、というのも当研修の良いところです。
インタビューの中では「まだまだ実践面に活かされているかはこれからですね。」というお話もありましたが、今後も揚羽様の成長と共に、よりよいコンテンツをご提供ができたら嬉しいです。