概要

受託から運営までをワンストップでサポートし、オーナー様に代わって賃貸管理を行っている東急住宅リース様。徐々に業務を1人で任されるようになる2年目社員の皆様に、ロジカルコミュニケーション研修を実施。担当の高橋様が現場で感じていたコミュニケーションの課題を解決するべく、ロジカルシンキングを活用した「伝わる」コミュニケーションの方法を学んで頂いた。研修内容としては、前半に「立場や情報量の違いによるコミュニケーションギャップ」を体感して頂き、後半には業務ですぐに使える「論理的に伝える」コミュニケーションの具体的な方法をお伝えした。

ご提供サービス

ロジカルコミュニケーション研修(入社2年目向け)

「言われたことをやる」だけではなく、その先の提案ができる人材へ

─────若手の方にはどのような課題を感じていたのでしょうか?

弊社は賃貸住宅の管理をしている会社です。オーナー様から物件をお預かりして、入居者募集や賃料・契約管理、原状回復工事等を行ない、その対価として手数料を頂いています。業務の特性上、ともすれば機械的に“こなしてしまう“ようなところがあります。
若い人と話していると、具体的な指示を求め過ぎていたり、結果を出すための方法を端的に知ろうとする社員が多くなって来たと感じています。結果を出すことだけにとらわれていて、回り道することを嫌う。「なぜこれをやるのか」「他に良い方法はないか」と深堀りする若手が少ないと感じています。

例えば、指示や結果だけを求めすぎると、お客様が本当に求めているものを、感じ取れなくなってしまうことがあります。
以前、土地活用を検討されているオーナー様から「とにかく賃料を高く設定して欲しい。」という依頼がありました。ある若手はこの依頼を鵜呑みにし、可能な限りの高い賃料の提案をしましたが、結局他社に決められてしまいました。
よくよく話を聞いてみたら、オーナー様には高齢のご両親がおり、現在の社会情勢も踏まえ、サービス付き高齢者向け住宅を建てて高齢者の方に貢献したいという思いもあったそうです。
結果的には、オーナー様との色々な会話を通じて得られた、真のニーズを汲み取った企業が選ばれました。

オーナー様に限らず、関わる全ての方々に対して、表面的なコミュニケーションだけにとらわれず、表には出てこない本当の想いまで汲み取って一歩先の提案をする。そのような人材を育てていきたいと考えています。

─────そのような中で、今回のロジカルコミュニケーション研修を選んでくださった背景を教えていただけますでしょうか?

私は研修担当になる前に現場の管理職をやっていました。現場で実際に若手社員をみている立場にいて、日頃からもっとコミュニケーション力が必要だと感じていました。具体的には、「“報告・連絡・相談“の区別ができていない」「自分の話したいことを一方的に話してしまう」「言葉の羅列になっていて、内容が伝わりにくい」などです。そのような状況に対し、御社の研修の「相手の立場に立って、ロジカルにコミュニケーションを図る」「”伝える“ではなく”伝わる”」という点がマッチすると考え、今回研修をお願いすることになりました。

経営管理本部 総務・人事部 人事グループ 課長 高橋謙司様

「立場による情報量の違い」を考慮したコミュニケーションの必要性を理解できた

─────研修を見ていて、特に印象に残っていることなどはありますでしょうか?

やはり、「ブラインドスクエア」(チームを作り、1人のリーダーが目隠しをしている残りのメンバーに指示をしながら、指定された形にメンバーを配置するというワーク)は印象に残っています。

あるチームのリーダーは、ワークが始まる前は自信有りげな様子でした。しかし、ワークが始まりしばらくすると、目隠しをしているメンバーに「指示の内容が分かりづらい。」と言われ、20分後には「20分経ったのに、まだ私だけ1つも指示がないのですけど大丈夫ですか?!」というような指摘を受け、彼の顔には相当の焦りの表情が浮かんでいました。
振り返りの時間ではメンバーからのフィードバックを受け、相当ショックを受けていましたが、真摯にチームのみんなの意見を受け止めていましたね。自分の持っている情報量と相手の持っている情報量が異なるときに、いかに相手の立場に立ったコミュニケーションをする必要があるかということを痛感したのではないかと思います。

研修後のアンケートのなかで、「今日の研修が実務に活かせるか」という設問に関して「大いに活かせる」と答えている人が大半だったことも、印象に残っていますね。

─────具体的にどんな点が役立つと思ってもらえたのでしょうか?

ロジックツリーの部分が活かせると思った人が多かったのではないでしょうか。「話す内容を、相手の情報量や立場・状況に合わせて必要なものとそうではないものを選別すること」「『今日の話は次の3点です』などのように、伝えたい内容を大きく3つくらいの枠組みに分けて提示し、それぞれについて抽象⇒具体の流れで話していくこと」などというようなことは普段の業務で教えてもらう機会がないので、役に立ったのではないでしょうか。業務ですぐに使える、会話や報告の組み立て方のトレーニングができたと思います。「コミュニケーションの中で重要なことを3つあげましょう。」という質問では、研修前には「結論から言う」が全てのチームに共通していた項目でした。研修後では全てのチームで「立場による情報量の違いを考慮して、報告する」が一番に来ていましたね。研修後も上司や顧客に関わらず、意識して欲しい部分です。

「人と人」「人と会社」の関係性を深めるようなコミュニケーションも増やしていきたい

─────最後に今後、改善していきたい課題などはございますか?

AIやRPAなど様々な技術が発展し、仕事の進め方も変わってきている中で、多くの仕事が上司との対面での会話がなく進んでしまい、上司と部下の関係性が希薄になっていると感じています。

若手社員との面談でも、マネージャーとの日々のコミュニケーションが不足していると感じています。
様々なツールを活用することによって、業務の生産性が高まり、企業としての収益性が高まること自体は良いことですが、「このチームで自身は何をやりたいか」「この会社で何を実現したいか」などの目線に立ったコミュニケーションが少なくなってしまうように感じます。

今後はAIなどで生産性を高めつつ、それと同時に「人と人」「人と会社」の関係性が深まるようなコミュニケーションの向上や相互理解が深まるチームビルディングについて取り組んでいきたいと考えています。

─────本日はありがとうございました。

 

(掲載されている所属、役職およびインタビュー内容などは取材当時のものです)

 

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