概要

NECグループにおいて、中堅企業のお客様をターゲットにSI(システムインテグレーション)事業をはじめ多くのITサービスを展開するNECネクサソリューションズ株式会社様。今回は同社が手掛けるマネージドVPNサービス「Clovernet」のブランドコンセプト策定・ロゴ制作・Webサイト制作のご支援を実施した。

ご提供サービス

  • ブランドコンセプト(キャッチコピー・ボディコピー)策定
  • ブランドロゴ制作
  • ブランドサイト制作

20年の節目に、主力サービス「Clovernet」のリブランディングを決意。会社全体をリードするサービスへと成長を目指す。

─────早速ですが、貴社サービス「Clovernet」をリブランディングしようと考えた背景を教えてください。

高橋様ず大きな背景からお伝えすると、2年前に設立された我々の事業部(サービスプラットフォームソリューション事業部)では、従業員が一丸となれるよりどころ、旗印のような存在が欲しいと考えていました。その「旗」として、事業部のコアコンピテンシーであり、売上の大部分を占めるネットワーク事業「Clovernet」に光を当てました。「Clovernet」はちょうど20周年を迎える節目でもあり、全社としても注力すべきサービスになっています。事業部として、そんな「Clovernet」をリードする新しい役割も生まれ、こうした複合的な背景から、リブランディングを行うことにしました。

リブランディング推進メンバーは次の10年・20年を背負う人材に託したいと考え、ここにいる佐藤・大久保に声をかけました。

サービスプラットフォームソリューション事業部 主幹 高橋征広様

佐藤様「Clovernet」は企業規模を問わず、スモールビジネスにも導入しやすいDX推進サービスで、クラウド接続からモバイル対応まで、業務に欠かせないネットワークを手軽に素早く導入できます。今回のリブランディングにあたり、まずは社内で「そもそも自分たちはどうなっていきたいのか?」「どうあるべきなのか?」をディスカッションしたのですが、想像以上に様々な方向性の考え方があり、やはりブランドの軸となるコンセプトが必要不可欠であると感じました。

また、弊社は「お客様に寄り添う」ということを非常に大切にしており、「人」が強みとなってお客様に選ばれているような側面もあります。一方で、これからより多くのお客様に対してこのサービスを拡げていくためには、「商品・サービス」「ブランド」で選んでいただくことができるようにしていきたいという考えもありました。

サービスプラットフォームソリューション事業部 サービス企画部 部長 佐藤麻衣様

大久保様:はじめは事業部内の自薦・他薦も含めた約20名のメンバーと共に検討を重ねましたが、その結果はこれまで当社が強みにしてきた「顧客一人ひとりに寄り添うOne to Oneのビジネス」を重視する方向にまとまりました。もちろんその想いは継承していきたいのですが、これからは「One to Many」でより多くのお客様にサービスを届けていく、ビジネスモデルの変革期でもあります。これまでの強みだけが押し出された内容よりも、今後のサービス展開を見据えた要素をしっかりと組み込むべきだと考え、戦略的な部分から一緒に検討いただける外部パートナーを交えてコンセプトを考え直すことにしました。

サービスプラットフォームソリューション事業部 第二営業部マネージャー 大久保 貴之様

─────ご支援のパートナーとして、なぜ弊社を選んでいただいたのでしょうか?

佐藤様:フォワード(現:バイウィル)さんはデザインやクリエイティブだけでなく、戦略策定を得意とされていることからお声がけさせていただいたのですが、戦略に対する強みだけでなく、我々への寄り添い方が非常に丁寧で頼りになりました。商談の過程から、私たちに足りていないことや考えるべきことをしっかりと伝えていただけたことも大きく、満場一致でご支援をお願いすることにしました。

従来のサービスの在り方を見直し、挑戦する姿勢を表す「Clovernet」のコンセプト創り

─────コンセプトを策定させていただく過程で印象に残っていることはありますか?

佐藤様:フォワード(現:バイウィル)さんとのディスカッションによって、自分たちは商材の組み合わせなど、いわゆる売り方・見せ方に目が行きがちで、「お客様から見たサービスの価値やメリットは何か」という顧客視点の視野が狭くなってしまっていたことに気が付きました。そして、単に「顧客視点で考えてください」とアドバイスするのではなく、「こんな感じでどうですか?」と具体的に提示してもらえたからこそ、私たちもイメージを膨らませ、意見を伝えられたのだと思います。

大久保様:議論の中で、どうしても全社としての話やサービス単体の話を行ったり来たりしてモヤモヤすることもあったのですが、そんなときにフォワード(現:バイウィル)さんが、「それは全社視点の話ですね」「今回創るコンセプトはこっちの話ですね」など、全社と事業・サービスの位置づけを整理してくださったので、非常に進めやすかったです。

 

230414_NEXS様_本プロジェクトのポイント

本プロジェクトにおける議論進行上のポイント

─────ディスカッションの中で見えてきたサービスの在り方や、新しいコンセプト(キャッチコピー・ボディコピー)に込めた想いを教えてください。

佐藤様:重視したのは、冒頭でもお伝えした「従来のビジネスモデルから『Clovernet』の在り方を大きく変えていきたい」ということです。当社はお客様の成長に寄り添う「まごころITサービス」を掲げているのですが、SI事業からの変革を示すうえでは「挑戦的」や「スピード」といった方向性を大切にしていきたいと考えていました。「挑戦」に寄っているものやNECグループの安心感が出るものなど、10パターン以上の案から自分たちの目指す価値が現れるフレーズを選んでいったのですが、最終的には「挑戦」と「寄り添う」のどちらも反映された納得感のある言葉になったと感じています。

大久保様:「私たちの経験やノウハウをもとに、お客様の少し先を照らしながら一緒に挑戦していく」という姿勢を表したコンセプトを、従業員をはじめ多くの人に認識してもらいやすいような形で、キャッチコピーやボディコピーに落とし込むことができたのではないかと思っています。

 

「Clovernet」ブランドコンセプト(キャッチコピー「左」・ボディコピー「右」)

 

Clovernet」ブランドコンセプト(キャッチコピー「左」・ボディコピー「右」)

お客様もフォワード(現:バイウィル)も。対話を積み重ねて創り上げたロゴ制作

─────続いてロゴ制作について伺います。従来のロゴからリニューアルされましたが、新しいロゴに込めた想いや、こだわったことを教えてください。

佐藤様:かつてのロゴは20年間使用し続けたので愛着もありましたが、各サービスを束ねる新しい「Clovernet」を創るためには、従来のものを刷新して新しいロゴを掲げるべきだと考えました。また、これまでのお客様に多い40代・50代の方だけでなく、若者や学生といった、これから認知を高めていきたい幅広いステークホルダーの方々に対してもキャッチーさやポップさを感じてもらえるようにしたいなど、デザインに対する具体的なこだわりまでデザイナーさんに伝えました。

Clovernet logo

Clovernet」新ロゴ

ロゴに込めた想い

シンボルマークは、幸せを運ぶ四葉クローバーに「+(プラス)」や「×(かける)」といった”つなぐ”意味合いのあるシルエットを持たせ、あえてロゴタイプの後に配置。すこし先を照らすClovernet+(×)パートナー(支援するお客さま)という構図を反映している。

カラーは「挑戦・進化」のレッド/「寄り添う・共創」のグリーン/「Speed & Easy」のブルー/「未来を照らす」のイエローの4色で、今までとこれからも大事にしていきたい4つの想いが込められている。

参照:「Clovernet」ブランドサイトより
https://www.nec-nexs.com/service/clovernet/concept/

─────思い描くイメージやアイデアを具体的に伝えたというお話がありましたが、ロゴ決定に至るまでの進め方で、印象に残っていることや良かったと感じる部分はございますか?

佐藤様私たち事務局メンバー、フォワード(現:バイウィル)さん、デザイナーさん全員が一つのチームのようになってディスカッションできたのが印象的です。提案いただいたデザインに対して「もっとこうしたい」と感じたときは、画像検索をしたり、時には手書きでロゴを書いたりして率直にお伝えし、デザイナーさんも意見をくみ取って快く修正を加えてくれました。デザイナーさんは一つひとつの案に対して「Clovernetの価値がどう表現されているのか」を熱く語ってくれましたし、正直に言って、20年使い続けたロゴを変えること、その決定をこの事務局メンバーで行うことのプレッシャーも大きかったのですが、意匠性や使いやすさについても丁寧に教えてくれたことはすごくためになりました。

大久保様:我々はかなり主張も多く無理を言う部分もあったかもしれないですが、フォワード(現:バイウィル)さんが上手く内容をくみ取りながら舵取りをしてくださったと感じています。すごく良い関係性で進められたからこそ、活発な意見を言い合え、納得感の高いロゴができました。新しいロゴになったことで「これまで露出していなかった場所に新ロゴを出してみたい」「ノベルティを作るのはどうか」といった声が事業部メンバーからも寄せられているので、新しい発想が生まれるきっかけにもなっていると思います。

フォワード(現:バイウィル)ありがとうございます。クリエイティブの分野は「なんとなく違う」など、デザインの好き嫌いに終始してしまうこともありますが、要望を具体的にお伝えいただけることはデザイナーにとっても進めやすかったと感じます。非常に嬉しいお話をありがとうございます。


市場への浸透度を高めるためのブランドサイトを新たに構築。挑戦する姿勢をデザインにも施した

─────続いてブランドサイト制作について伺います。サイト制作を行ううえでこだわったことや意識したことは何ですか?

高橋様Clovernet」の市場への浸透度がまだまだ低いことが課題だったので、認知を高める受け皿を構築することがWebサイト制作の大きな目的でした。また、従来はClovernetが備える各種ラインナップがそれぞれ独立している状態だったので、それらを束ねるサービス群としてのWebサイトを創ること自体は初の試みとなりました。

大久保様れまで当社が行ってきたOne to Oneのビジネスからサービスの在り方を変革し、One to Manyで広げていくという決意や姿勢が反映されるWebサイトになるよう意識しました。

佐藤様だからこそ「新しさ」を明確に出したいと思い、従来は写真がメインだったところから、あえてイラストやアニメーションを取り入れる決断をしました。方向性が定まったあとは、キャラクターの服装や全体の色味など細部にまでこだわり、キャッチーさや明るさが伝わることを意識しました。

 

Clovernet」ブランドサイト

─────サービスのイメージが大きく変わるブランドサイトになったと思いますが、周囲からの反応はいかがですか?

佐藤様既存のお客様や、長くサービスに携わっている従業員からも概ね好意的な反応が得られていることから、今回私たちが思い描く思想の変化が伝わっているのかなと思います。とはいっても、去年12月にローンチしたばかりなので、これからしっかりと反応を見ていきたいと思います。

お客様の挑戦に寄り添うサービスを目指して

─────全体を通して、弊社のご支援で印象に残っている点はありますか?

大久保様:今回は特定の商品やサービスのプロモーションではなく「サービス群」としてのブランディングであったので、訴求することも抽象的で難しかったと思うのですが、上手くまとめていただきました。

また、プロジェクトを進めるなかで、我々ではわからないことが沢山あったのですが「とにかくフォワード(現:バイウィル)さんに聞いてみよう」というスタンスで、すごく頼らせてもらっていました。質問への回答もスピーディーで、ぼやっとした質問にも的確にお答えいただき、とても進めやすかったです。正直フォワード(現:バイウィル)さんにとってご支援の範疇ではない部分もあったかもしれないのですが、決して突き放すことなく寄り添っていただけて非常に助かりました。

─────ありがとうございます。最後に今後の展望を教えてください。

大久保様:ようやく事業部としての旗印ができ、ここがスタート地点だと思っています。社内においては、従業員がその「旗」に集まってこられるように訴求していきたいですし、社外に向けたサービス訴求の観点では、従来の強みである足で稼ぐ力を継承しつつ、お客様にその「旗」が見えるようにマーケティングの強化に力を入れていきたいと考えています。

高橋様大久保の言うように、プラットフォームがつくられ「旗」ができたことは大きな前進だと思っています。「旗」ができたということは立ち返る場所ができたということでもあるので、これから様々な自問自答を繰り返しながらも、新しいサービスやソリューションの企画がどんどん進んでいくのではないかと思います。

佐藤様:会社の核となる「Clovernet」の在り方を見つめ直して創ったコンセプトは、私たちのバイブルになっています。私は企画・創出という立場で今後ラインナップを増やしていきますが、その過程では、市場のニーズとギャップが生じることもあるかもしれません。その際は引き続きフォワード(現:バイウィル)さんにアドバイスいただきながら一緒にサイクルを回して、サービスを育てていきたいです。私たち自身も、トライ&エラーを繰り返し、利用するお客様の挑戦に寄り添い続けるITサービスを提供する企業になっていきたいと思います。

─────ありがとうございました。

 

(掲載されている所属、役職およびインタビュー内容などは取材当時のものです)