概要

東京・札幌を拠点に健康食品や化粧品、雑貨などの企画・製造販売を手掛ける北の達人コーポレーション様。従業員が共感し、一丸となれる組織の基盤を創ること、更に採用を強化していくという目的のもと、ミッション・ビジョン・バリューの策定、クレドの改定を行った。また策定後は、全従業員に向けた共有会を実施した。

ご提供サービス

  • 組織文化調査の実施
  • ミッション・ビジョン・バリューの策定
  • クレドの改定
  • 全従業員に向けた共有会のご支援

今働く従業員も、これから加わるメンバーも、皆が共感するビジョンを軸に、組織力を高めていきたい

─────これまでの理念(既存のビジョンやクレド)を見直そうと考えた背景を教えてください

H様:まず、新しいビジョンが必要だと考えた理由は二つありました。一つは、今働いている従業員が一丸となれる「軸」となるビジョンが必要だと考えたこと。二つ目に、これから当社が目指していきたい姿を理念に込めることで、その想いとマッチするロイヤリティの高い人材を採用していきたいと考えたこと。元々、経営理念の中にビジョンは存在していたのですが、会社として目指す方向が曖昧に捉えられてしまう側面もあり、従業員の行動が紐づきにくい状態でした。北の達人濱田様

人事総務部 Kotaro.H様

 

K様:二つ目の話に紐づく課題として、離職者が多かった時期がありました。当社は東証プライム上場企業ではありますが、200名規模の所謂『ベンチャー企業』です。少数精鋭でここまで成長したノウハウやスキルを身に着けたい、成長できる環境に身を置きたいという思いだけで入社をし、当社との価値観が合わなければ退職をしてしまうという流れも生まれていて、そこを改善していきたいと考えていました。「商品への誇り」や「お客様思考」といった本来大事にしたい部分をビジョンに掲げることで、当社の想いに共感してくれる人材を迎え入れる体制を整えていきたいと感じていました。

北の達人清田様

人事総務部 Hirono.K

─────そうした背景で検討された理念策定ですが、弊社をパートナーとして選んでいただけた理由はどんなところにあったのでしょうか?

H様:直感的な話になるかもしれませんが、決め手はフォワード(現:バイウィル)さんの人柄や、当社と相性が良いと感じられたところにあります。パートナーとして考えていた会社は複数あり、どの会社からも最終目的に沿った提案をしていただきました。私たちはその分野に詳しいわけではないので、気軽に様々なことを相談できる会社をパートナーにしたいと考えました。担当コンサルタントの方から伊佐社長まで、フォワード(現:バイウィル)の皆さんにはすごく親身になって話を聞いていただき、とても安心感を得られました。それから、当社の課題(離職の問題について)を包み隠さず指摘してくださる姿勢にも好感を持てたので、パートナーになっていただきました。

フォワード(現:バイウィル):客様に寄り添ったご支援を日々心がけている弊社としては、非常に嬉しいお言葉です。ありがとうございます。

役職や部署の垣根を越えてディスカッションを重ねたからこそ、会社として最も大事にしていきたいことが見えた

─────策定プロジェクトを進めるうえで、こだわったことはありますか?

H様納得感の高い理念にすることと、その後の浸透活動をスムーズに行いたいという想いから、トップダウンではなく、ボトムアップで進めていきたいという強い想いがありました。そのため、役職・部署・年齢・中途/新卒と満遍なく声をかけて20人程のプロジェクトメンバーで検討を進めていく体制を創りました。

K様:声をかけたメンバーは、はじめから協力的で心強いなと感じました。フォワード(現:バイウィル)さんから提案いただいたワークショップを通して、メンバー同士、忌憚なく意見を出し合いながら進めていきました。

b221111_1+策定プロジェクトの全体像

─────今回新しいビジョンを創るにあたり、「事業におけるビジョン」と「組織におけるビジョン」とを分けて検討していきました。分けて考えたことで良かった点はありますか?

H様:もし、事業面と組織面を分けずに、最初から一括りの「ビジョン」で考えていたら、事業視点で話をする人と、組織視点で考える人の意見が混ざってしまい、焦点が定まらなかったのではないかと思います。最初に、事業面で「ありたい姿」を検討していったおかげで、当社はこれまでもこれからも「お客様思考」を大切にしていきたいということを再認識できましたし、その上で「ありたい組織の姿」を検討したことで、事業・組織それぞれのありたい姿を明確に描くことができたのだと思います。

K様普段、なかなか事業や組織について部署の垣根を越えて話し合うことがなかったので、商品部のメンバーがものすごく強い商品愛をもっていたりとか、お客様のことを想っていたりとか、他の部署の強い想いを知る機会となり、様々な気づきがありました。人事として、そのような従業員の気持ちをもっと外に届けていきたいと思えたことも良かったです。全体を通してすごく有意義な話ができたと感じています。

─────検討を進めていくうちに、ビジョンやクレドだけでなく、そもそもの理念体系を変更する決断をされました。その決断にはどのような背景があったのでしょうか?

H様理念体系を見直した方が良いのではないかと考えたのは、組織ビジョンを形にしていく段階に入ったときでした。集約された皆の想いが、「おもしろいをカタチにして世の中をカイテキにする達人集団」という、これまであった当社の経営理念に近い内容になっていきました。実際、この経営理念が好きだというメンバーも多く、この内容は残していく方向で再検討した結果、理念体系そのものを見直すことがベストと考え、ミッション・ビジョン・バリュー・クレドを合わせて企業理念とする、新しい理念体系として整理することにしました。

K様:多くのメンバーが惹かれていた元の経営理念は、少し表現を変えて、バリューに位置付けることにしました。このフレーズには、楽しくやっていこうという自分たちらしさも表れていて、大切な要素だと再認識することができました。

新しく策定された理念体系新しく策定された理念体系

スピーディーかつ的確な「意見集約」「論点整理」のおかげで、1回ごとに納得感の高い話し合いをすることができた

─────皆様には、弊社がご提供したワークショップを通して、多くのディスカッションをしていただきました。弊社のご支援で良かった点や進めやすいと感じた点があれば教えてください。

H様:限られた時間の中で、全員の意見をくみ取って、整理して、次の展開に繋げていくことを繰り返し行っていただきましたが、そこが本当にすごいなと思いましたし、ありがたかったです。ワークショップの回数も多く、間隔も短いタイトなスケジュールだったので、当社だけでは出来なかったことだと思います。ワークショップのたびに、メンバーから沢山の意見が出されたのは良かったのですが、正直かなり意見が散らかったまま終わる日もあったので、「一体この後どうするんだろう…」と気がかりな時もありました。でも、次の回には、皆が納得できるような論点整理がなされていて、本当に見事でしたし、その分我々はディスカッションに集中することができました。

フォワード(現:バイウィル):ありがとうございます。若い方でも遠慮せず、意見を出してくださることが大切ですが、御社はその点でも当初から活発な意見交換がなされていて素晴らしいと感じました。様々な視点から意見が出れば出るほど、情報整理や意見集約のハードルは上がると思うのですが、その面をお手伝いさせていただくことで貢献できたのであれば大変嬉しく思います。

K様:また、「会社の理念」を考えるとなると、どうしても話し合いの内容が抽象的になり、メンバー層など立場によっては、具体的に考えにくい部分もあります。そうしたイメージしにくい内容に関しても、OK行動・NG行動といった考え方など、自分の仕事と結び付けて具体的に話ができる工夫のおかげで、全員がとても参加しやすい場を創ってもらえました。

全社員に向けたオンライン共有会を実施~従業員一人一人の道標となる理念浸透を目指して

─────理念策定後は、全従業員に向けたオンラインでの共有会を実施されました。参加者の反応はいかがでしたか?

H様全従業員228名を対象にオンラインで、共有会を開催しました。「ただ結果の共有で終わるのではなく、決定に至るまでの経緯をしっかりと伝えてもらえて良かった」という声や、その後の「動画視聴→個人ワーク→グループディスカッションという順番によって一層理解が深められた」という声も多く挙がりました。策定に携わった各部署のメンバーから直接説明をしてもらえたことや、ディスカッションタイムで立場の上下関係なしに意見交換ができたことが良かったという反応もありました。

画像素材(共有会)

オンライン共有会の様子


K様
開催後のアンケートでは9割近くの参加者が「満足感を得られる内容だった」という回答をしてくれていて、不満の声もほぼありませんでした。我々が伝えたかったことはしっかりと皆に届けられたのかなと感じています。今回策定した企業理念が全社一丸となれるものとなるよう、ここから浸透活動に励んでいきたいです。

 

理念策定に伴って制作した動画

採用HPに掲載し、採用候補者への訴求を目指す他、社内のモニターでも常時再生しているPCの壁紙や従業員が持つ手帳など、新しい理念体系が常に目に触れられる環境を創っている

PCの壁紙や従業員が持つ手帳など、新しい理念体系が常に目に触れられる環境を創っている

─────最後に、今回の理念策定をふまえて感じたことや、今後に向けた想いをお聞かせください。

H様当社は中途入社のメンバーが多い会社で、今後もさらに採用を加速させていき、その割合も更に増えてくると思います。中途メンバーは年齢、経験や前職で過ごした企業文化などのバックボーンが様々なので、組織として、皆が同じ方向に向かっていける道標があることが重要で、今回のミッション・ビジョン・バリュー・クレドの策定はとても良い機会になると考えています。働く従業員一人一人が当事者意識を持ってこの理念を体現できるように、人事の自分たちから推進していきたいです。

K様個人的な考えなのですが、人が成長できるタイミングとは、お客様の役に立てていると感じる時など、自分の仕事が何に繋がっているかを意識できている時に訪れるものだと考えています。ただ、日々目先の仕事で余裕がなくなってしまったり、自己成長が最優先になったり、その時々によって、自分の仕事が何に繋がっているか見えなくなる時は出てきてしまいます。そうした時にこそ、今回の企業理念の存在が、従業員にとって本当に大切なものであり、迷った時に立ち戻る道標であって欲しいと思います。

今は、ひとまず共有会を終えたところですが、浸透はまだまだこれからなので、従業員の道標となる理念になるよう、引き続き取り組んでいきたいです。

─────ありがとうございました。

 

(掲載されている所属、役職およびインタビュー内容などは取材当時のものです)