このブログでは、3/17(金)に開催した第2回ブランド担当者の交流会「Branding Meetup」の模様をお伝えします。

Branding Meetup 第2回のテーマは「インナーブランディング」

多くの企業では、何らかの形で「ブランディング」の動きが進められているものの、ブランディングの概念は非常に幅広く、汎用的なセオリーもないだけに、日頃から下記のようなお悩みを多く伺います。

  • そもそも「ブランディング」の定義が人によって異なる
  • 様々な部署が関わるのに、主幹となる部署や役割が明確になっていない
  • 意外と、経験豊富な人・相談できる人が周りにいない

Branding Meetupは、同じ立場の担当者同士でこうしたお悩みを分かち合ったり、情報交換をしたりすることで、少しでも業務を前に進められるヒントを得ていただきたいという思いから開催にいたりました。

第2回の今回は、「インナーブランディング」をテーマに実施いたしました。
※第1回のテーマは「ブランドKPIマネジメント」で実施。開催レポートはこちら

今回は、アパレルやICT・教育・メディア業界でブランディングに携わる4社4名の方にご参加いただきました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

インナーブランディングの基本的な枠組み

より活発な交流をしていただけるよう、まずは弊社からインナーブランディングを実施する前提として必要な考え方についてお伝えしました。

下記スライドはインナーブランディングの基本的な枠組みです。パーパスや理念などの社内浸透のゴールは「社員が自発的に行動すること」になりますが、施策を考える際には、いきなりゴールを目指すのではなく、5つのプロセスのうち、自社がどの段階に位置するのかを把握し、その段階にあった施策から始めることが大切です。

【スライド】230317_ブランディングmeetup_vol.2 

日頃の悩みや課題について情報交換を行うディスカッションタイム!

交流時間は約60分、参加者4名の方に加え、フォワード(現:バイウィル)コンサルタントがファシリテーターとして加わり、ディスカッションを行いました。今回は、それぞれが抱えるお悩みに対して、参加者の皆様が過去の経験などをもとに様々な意見を交わし合いました。ここからはその内容の一部をご紹介いたします。

【お悩み①】
トップのメッセージをグループ会社も含めた社員全員(数万人)に浸透させたいが、人数も多く一人ひとりの腹落ち感を高めるのが難しい。イントラネット内に情報を発信するだけでは、見ていない人には伝わらず、どのような施策であれば全員に浸透させることができるか悩んでいる

【挙げられたご意見やご感想(一部ご紹介)】

  • パワーポイントやZoom背景など、目に触れる機会の多い広報物に、浸透させたいメッセージを載せる。
  • メッセージの内容に対して「自分はどのように捉えているのか」一人ひとりが考え、発信できる場を設けてはどうか。例えば社員を小人数に分けてディスカッションしてもらうことは、理解を深め、納得感を高めることに繋がる。
  • (ミッション・ビジョン・バリューを浸透させるためのグループディスカッションを企画したことがある担当者より)社員の考え方は様々だが、中には斜に構えた態度を示す人も一手数存在する。そうしたタイプの社員に対しては、他のメンバーの考えや意見を聞く機会をつくることによって態度に変化が現れた。人数が多いとパワーもかかるが、社員自らがメッセージの意味を考え、人に話す場をつくることは効果があるように感じる。

【お悩み②】
海外支社に勤務する社員にも本社からのメッセージを浸透させたいが、使用しているコミュニケーションツールも統一したものがないため、浸透が難しい。

【挙げられたご意見やご感想(一部ご紹介)】

  • (過去に海外支社のある企業に勤めていた担当者より)ブランドブックを作り、全員に共有した。海外メンバーに対してもオンラインによるデータでの共有ではなく、実物を送るようにした。多くの反響があり、リアルな物がもたらす効果の高さを実感した。
  • 周年を迎える年に、世界中のメンバー(数万人)を大規模な会場に一斉に集めリアル開催のイベントを実施した。

【お悩み③】
会社がスタートアップで、人手が潤沢ではないが、ブランディングの大切さは実感しており注力していきたい。リソースが少ない中で効果的に浸透活動を行うためにはどうしたら良いのか課題を感じている

【挙げられた意見や感想(一部ご紹介)】

  • リソース不足の中で業務を推進する大変さに共感する。人事部や広報部など、他部署と役割分担をするなど上手く連携できる部分があると良いのではないか。他のチームの力を借りるのも一つの手。
  • リソース不足を直接解決するものではないが、浸透させたいものがわかりやすく、伝わりやすい内容になっているかどうかもポイントだと思う。自社はBtoCの会社だが、バリューの浸透において、対お客様用には表現をさらにわかりやすく言い換えている。浸透しやすい内容になっているほど、時間をかけずに伝えられるのではないか。

→(お悩みを話した担当者より)確かにわかりやすさは大切。現状はバリューが全部で10個あり、数も多いので、もっとシンプルにできるかもしれない。良いヒントをいただけた。

参加者から注目を集めた取り組み施策

ディスカッションを通して、参加者から特に注目を集めた話題は、バリューの浸透活動を推進しているアパレル企業のマーケティング担当者のお話です。同社では、社員にバリューを自分ごと化してもらうためには、「社員自らがバリューを体験する」とが必要だと考え、全社員約400人を対象に、ディスカッションをする場を設けているそうです。

ディスカッションでは、少人数に分かれた社員たちが「〇〇なことでワクワクした」「△△なことで感動した」など、日常生活や仕事においてバリューそのものを実行した話や、バリューに繋がる体験をした話を語り合ってもらうとのこと。自分の良い体験を共有しあうことで社員の相互理解が深まり、新たな気づきも生まれ、結果としてバリューの体現に繋がることを狙っているという話でした。

また同社では、日頃からバリューを意識してもらうための施策として、イントラネットに、バリューにまつわる自分のエピソードを投稿すると、年に複数回インセンティブがもらえる制度があるとのことで、独自性のある施策だと参加者から関心を集めていました。

 

インナーブランディングは、推進する立場の方にとって、達成感を明確に味わいにくい活動でもあるため、日々お悩みはつきないことと存じます。だからこそ、こうした他業界の方との交流を通して、同じテーマについて情報交換をし合うことで一つでも多くのヒントを得ていただけたら嬉しいです。

バイウィルでは、企業理念の策定から浸透など、クライアント企業様の状況に合わせたインナーブランディング支援を数多く実施しております。

少しでも、ご興味がある方はお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

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