こんにちは。
インターン生の海野です。

2022年も様々な企業がリブランディングを行いました。
リブランディングは、日々状況が変化していく社会の中で、企業が顧客から選ばれ、競争し続けていくために行われます。

例えば、コロナウイルスの感染が拡大したことにより、旅行・ホテル業界は大きな打撃を受けました。こうした業界の企業は、これまでと同じようにビジネスを行うことは難しくなり、お客様に選ばれ続けるためには、様々な変化をすることが必要となりました。そうした状況は、旅行・ホテル業界の企業が自らの方向性を見直すタイミングとなり、リブランディングを行うきっかけになったようです。

そこで、今回の記事では、2022年にリブランディングを行った旅行・ホテル業界の企業の事例をご紹介します。

リブランディングとは?

そもそも私たちは、ブランド=「様々な顧客接点での体験を通じて、消費者・顧客の中に出来上がる価値(イメージ)の総体」と定義しています。簡単に言ってしまうと、「ブランド=価値」です。と考えると、「リブランディング=価値の再定義」となります。

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そして当然、企業の中でブランドの価値を再定義するだけでは顧客に伝わりませんから、再定義した価値を様々な手段を通じて顧客に伝えていくことになります。具体的には、ロゴを変更する・Webサイトをリニューアルする、商品やサービスをリニューアルする・広告プロモーションを展開する・・・などの取り組みです。

これらの手段に絶対的な正解はありません。再定義された価値が以前のものと大きく変わるようであれば顧客接点も大きく変える必要がありますが、それほど大きく変わらない場合であればその必要はありません。大きな変更を行うということは、それまで培ってきたブランド資産を失うということでもあります。

「リブランディング=ロゴを変更すること」のようなイメージを持ってしまいがちですが、あくまで大切なのは「ブランド価値をどのように再定義するか」と「その内容に合わせて適切な手段で伝えていくこと」です。

2022年にリブランディングを行った企業 ①旅行・ホテル業界編

2022年にリブランディングを行った旅行・ホテル業界の企業の事例をご紹介します。

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※本記事は、ウェブ上に公開されている情報に基づいて作成しています。
記載内容に関するご指摘や修正依頼につきましては、こちらよりお問合せください。

事例①株式会社JTB

【背景】
JTBグループは、グループに対するイメージとJTBグループが目指す姿との間に乖離があり、特に、旅行以外のビジネスに対する認知の低さや、事業会社も含めた多様なビジネスの広がりや深みが伝わっていないことを課題に感じていたそうです。

JTBが目指す姿とは、次のようなものです。

JTBグループは、価値創造の源泉である「つなぐ・つなげる」の思想に基づいた「交流創造事業」を事業ドメインとし、多彩な「人財」が旅行事業にとどまらない幅広いビジネスを展開し、お客様や事業パートナーの皆様にとっての感動や喜び、成果の実現を追求し、サステナブルな社会の発展に貢献します。(株式会社JTB プレスリリースより)

【目的】
上記目指す姿がきちんと伝わること、具体的には「交流を創造し挑戦し続ける、多様性あふれるダイナミックなブランド」としての新たなブランドイメージの醸成を図るためにリブランディングを実施したようです。

【実施したこと】
  • コーポレートブランドロゴの刷新

コーポレートロゴは、2色表示から単色表示に変わり、大地や自然など地球が作り出す12の背景色のパターンが作られています。こうした背景色の展開は事業領域が広がるJTBブランドの姿を認知してもらうことを目的として行われるそうです。

  • コーポレートサイトのリニューアル

新しいコーポレートサイトは、JTBグループが目指すブランドのありたい姿、世界観を体現するデザインに刷新されています。また、「JTBグループの価値創造プロセス」「価値創造ストーリー」など、「交流創造事業」を形成する価値創造の仕組みや、「こんなところにJTB」といった多様な事業活動を紹介するコンテンツが新設されており、JTBグループについての理解を深めてもらうための工夫がなされています。

(参照)
・2022/11/28 株式会社JTB プレスリリース
「JTBグループがリブランディング始動 交流を創造し挑戦し続ける、多様性あふれるダイナミックなブランドへ」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000956.000031978.html

事例②株式会社エイチ・アイ・エス

【背景】
創業40年を迎える年にコロナ禍に見舞われ、それを機として将来構想の策定に着手したそうです。

【目的】
社会課題の解決と企業自身の持続的成長の両立を実現するためにHISグループがグループ横断的に共有するべき価値観を明確にし、スタッフの意思統一を図るために、HISグループとステークホルダーの皆様とが共感できる共通言語を作る必要性を感じたそうです。

そのため、創業の精神を再確認するとともに、将来にわたり繁栄していく継続企業の指針となる存在意義(パーパス)を再定義することになったとのことです。

【実施したこと】

  • HISグループのパーパス「HIS Group Purpose」の策定
  • パーパスを実現するためのバリュー「HIS Group Value」の策定
  • コーポレートロゴの刷新、タグラインの追加

(参照)
・2022/12/19 株式会社エイチ・アイ・エス プレスリリース
「HIS Group Purposeを制定し、コーポレートロゴを一新」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000924.000005110.html

事例③株式会社東横イン

【背景】
ビジネスホテル業界では、大浴場など特色あるサービスを持つホテルチェーンが続々と台頭し、好立地、機能的な客室とシンプルなサービス、リーズナブルな料金といった、これまでの東横インの特長が薄れつつあったそうです。そして、そのような業界の変動を踏まえ、ブランドとしての今後の方向性の検討を行うことになったとのことです。

【目的】
今のビジネスホテルは、レジャーの利用率が高いこと、特に20~30代男女にこうした傾向が高いことが分かり、ビジネス目的だけでなく、幅広い目的、年代のお客様に支持されるホテルを目指すことにし、ブランド再構築を決意したそうです。

【実施したこと】

  • ブランドコンセプトの策定
  • カスタマープロミスの定義
  • ブランドロゴの刷新
  • ブランドムービーの制作・公開

(参照)
・2022/7/1 株式会社東横イン プレスリリース
「2022年7月「出発するホテル。東横INN」としてスタート」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000009718.html

事例④株式会社三井不動産ホテルマネジメント(三井ガーデンホテルズ)

【背景】
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに新しい生活様式が広がったことで、ビジネスやレジャーだけでなく、マイクロツーリズムや日々の息抜きとしての活用など、ホテルに求める価値の多様化が加速。より一層多様なニーズに応えることが必要になったようです。

【目的】
ビジネス利用だけでなく、レジャーやリトリート、リフレッシュ、長期滞在等、様々なシチュエーションで積極的に活用してもらうホテルになるために、リブランディングを実施したとのことです。

【実施したこと】

  • ブランドステートメント・タグラインの制定
  • ブランドロゴリニューアル
  • 各種ソフト面の一新(スタッフユニフォーム、アメニティ、カードキー等の備品デザインなど)
  • 新規開業施設へのハード面の反映

(参照)
・2022/11/21 三井不動産株式会社
「約1万室を展開する三井ガーデンホテルズ、新たなブランドタグラインを「Stay in the Garden」と定めリブランディング ガーデンのような豊かさと潤いのある滞在を提供」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000381.000051782.html


最後までご覧いただきありがとうございました。