パーパスに関する疑問やお悩みの多くに、
・既存の概念(理念、MVVなど)との違いが分からない
・パーパス策定を考えているが、既存の理念やMVVはどうすればよいのか
というものがあります。

多くの企業様において、既に理念やミッション・ビジョンといった概念が存在するのではないでしょうか。それに加え、新しく「パーパス」を策定するとなったら「既存の概念は無くすのか?それとも残すのか?残すとしたらパーパスとの違いは何か?」といった疑問が生じてくるかと思います。

いったい、パーパスとミッションやビジョンの違いはどこにあるのでしょうか。
どのように整理すると、社員への浸透が図りやすくなるのでしょうか。

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パーパスとMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の違い

パーパスとMVVの違いを整理するポイントは、「Why」「What」「When&Where」「How」の分け方で意味を捉えることです。弊社では「パーパス:Why」「ミッション:What」「ビジョン:When&Where」「バリュー:How」と定義すると分かりやすいと考えています。※詳細は下図参照

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そもそもパーパスとMVVの違いが分かりにくい理由は、既に世の中にあるミッションやビジョンの定義が定まっていないことです。例えば、ミッションと呼ばれているものの中に「Why」の要素が入っていたり、ときには「When&Where」の要素が入っていることもあります。このブログをご覧いただいた皆様の中にも「自社で掲げているミッション・ビジョンの定義が明確に定まっていない」と感じられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

お伝えしたいのは「Why、What、When&Where、Howという観点で、概念体系がきちんと整理されていること」が重要であるという点です。極端に言えば、それぞれを「パーパス」と呼ぶか「ミッション」と呼ぶか「ビジョン」と呼ぶか、呼び名はどう定義されていても構いません。

パーパスとMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の関係性

次に、パーパスとMVVの構造を分かりやすく図示して解説します。

まずは、向かうべきゴールであり、最上位の概念としてパーパス(Why)があります。このパーパスを前提としたとき、「私たちは何をするのか(to do)」を表すのがミッション(What)です。そして、「そのミッションを進めて、いつまでにこんな状態にたどり着きたい(to be)」がビジョン(When&Where)。ビジョンは「社外の状態」を表す場合と「社内の状態」を表す場合の2通りがあります。そして最後に、パーパスに向かっていくために大切にすべき価値観や行動の基準としてバリュー(How)となります。

 

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「パーパス」と「ミッション」「ビジョン」の混同について

先に述べたように、「パーパス」と「MVV」の違いがわかりにくくなる理由がよく現れているケースとして「パーパス」と「ミッション」「ビジョン」が混同されて使われていることがあります。ここでは、2つのパターンに分けて、考え方と対応方法をご説明します。

①「パーパス」と「ミッション」が混同されている

「存在意義(Why)」と「やること(What)」がセットで描かれているパターンです。
「私たちは○○します」という「to do」を宣言している前置きに「Why」が含まれているイメージです。

この場合、明確に「存在意義」と「やること」の2つを切り分けて整理しても良いですし、2つの要素がきちんと含まれているのであれば1つの文章にまとまっていても問題ありません。(そこに「パーパス」というラベルがついていても、「ミッション」というラベルがついていても構いません)

切り分けて整理する場合は、きちんと「存在意義」と「やること」が分かれた内容になっていること、1つにまとめる場合は、両方の意味合いが含まれているということの社内への説明が必要になります。

②「パーパス」と「ビジョン」が混同されている

「存在意義(Why)」と「目指す姿(When&Where)」がセットで描かれているパターンです。「私たちは○○を目指します」という「to be」を宣言している前置きに「Why」が含まれているイメージです。

この場合は、明確に2つを切り分けて策定した方が良いです。よく「2030年ビジョン」などの表現がされますが、ビジョンは一定の時間軸を想定し、そこから具体的な事業計画やアクションに落とし込めるように描かれることが望ましいものです。つまり、Whyの部分はパーパスとして切り分けて、When&Whereは事業計画に落とし込めるビジョンとして描き直すのがお勧めの整理です。


いずれにせよ、大切なのは「パーパス=自社らしい存在価値(社会的意義)」が言語化されていて、そこに向かって経営がなされることです。本記事でお伝えしたように、それぞれの概念を何と呼ぶかが重要なのではなく、「ラベリング」と「どのように定義するか」が社内で共通認識化されていて、ブレることなく一体感を持って進めていけることが重要になります。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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