株式会社TBM様のサステナビリティの取り組みをお届けしている記事はPART3の今回がラストです。

▼前回の記事はこちらをご覧下さい。
【PART1】
サステナビリティの自分ゴト化に繋げる第一歩としておススメ!資源循環を体験できる「MaaR for business」とは?
【PART2】
サステナブルなアクションを促す行動指針「TBM Sustainable Style」

社員の手挙げ制で運営される「サステナビリティ研究会」

今回はTBM社のサステナビリティ浸透施策の1つ、「サステナビリティ研究会」に注目します。PART2で紹介した「TBM Sustainable Style」と同じように、現場メンバーからの声がきっかけで生まれた活動だということで、2年間継続した結果、これまでに社員の3分の1が参加する取り組みになっているそうです。

サステナビリティ研究会を企画・運営しているサステナビリティ部部長の羽鳥様、そして研究会に参加していらっしゃる五十嵐様のお二人にお話を伺いました!

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資源循環イノベーション部 五十嵐一樹 様(左)/ サステナビリティ部 部長 羽鳥徳郎 様(右)

─────早速ですがサステナビリティ研究会とはどんな会なのか教えてください。

羽鳥様:サステナビリティの知識や考え方を業務に活かすために開催している勉強やディスカッションの場で、全部署のメンバーを対象にしています。

1期(6カ月)ごとに約25人のメンバーが参加してくれています。2021年の年初からスタートして4期目を終えたところで、これまでに延べ100人ほどのメンバーが携わってくれました。参加は強制ではなく、メンバー自らの手挙げ制にしているのが特徴です。

─────従業員側から「自ら参加したい」と声が上がるのは素晴らしいですね。元々どのような経緯で開催することになったのでしょうか?

羽鳥様:そうですね。現場メンバーから「サプライチェーンマネジメントの業務でサステナビリティを取り入れたい」「LIMEXの製品開発などにサステナビリティの視点を入れたい」など、業務との接続を望む声が多く寄せられたことがきっかけです。

それぞれ個別に話を聞いて支援していくよりも、みんなで学び合いながら取り組んでいけたらより良いのではないかと考え、研究会という形で全部署横断で始めることにしました。

メンバーが楽しく参加できるように工夫を施す

─────サステナビリティ研究会では具体的にどのようなことをしているのですか?

羽鳥様:1つの期で6回集まる場を設けているのですが、全てリアルタイム参加を基本にしていて、前半3回ぐらいがサステナビリティに関する知識のインプット、後半は具体的なアクションを考え手を動かすアウトプットの機会にしています。

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サステナビリティ研究会のプログラム

サステナビリティ研究会のプログラム(提供:株式会社TBM)

 

前半のインプットでは、「サステナビリティとは?」という内容からスタートし、「企業とはどのような関係があるのか」「サステナブルな商品とはどんなものがあるのか」「自社の事業内容とサステナビリティについて」「投資家から見たサステナビリティ」など、参加者のみなさんの興味に合わせて様々なテーマを扱っています。

参加メンバーの知識レベルはバラバラなので、後半のアウトプットまでに前提知識を揃えられるように、なるべく中身を噛み砕いて伝えるようにしています。

あとは、なるべく楽しく参加してもらえる会にしたいので、クイズを沢山出したり、たまにゲームもやってもらったりしています。

例えば「CO2排出量ランキング、日本は世界第何位?」や「地球全体に対して人間が利用できる水の割合は?」といった内容をクイズにしています。クイズにすると、その後も参加者が気軽に発言しやすくなる効果も感じています。

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サステナビリティ研究会で使用されている資料(提供:株式会社TBM)

後半では資料などは用意せず、比較的フリースタイルでディスカッションしているのですが、毎回のアンケートをもとに関心分野の近い人同士を集めたグループに分かれて話し合ってワークをしてもらっています。

─────毎回の内容はどのように準備されているんですか?

羽鳥様:私ともう一人のサステナビリティ部のメンバー二人で情報収集をしながら、完全にゼロから企画・設計や資料作成を行っています。なるべく旬な情報を盛り込みたいので、直近2週間で面白かったニュースを入れたりしています。

僕たちもかなり試行錯誤しながら進めていて、ある回でインプットの量が多すぎたと感じたら次回はその内容をフォローしたりディスカッションを多く設計するなど、その都度良いバランスを目指しています。

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サステナビリティ研究会の様子(提供:株式会社TBM)

ポイントは業務として行うこと。だからこそアウトプットへの意識が高まる

─────運営側の準備もそうですし、参加者も毎回リアルタイム参加ということで、かなりパワーを注ぐことだと思いますが、これは業務時間で行われているのですか?

羽鳥様:はい。すべて業務時間に行っています。むしろ、業務として行わなければ意味がないぐらいに考えています。もちろん参加者の意思に委ねた手挙げ制の参加にはなるのですが、業務時間を使って参加してもらうからこそ、アウトプットを意識して最後まで良い緊張感で取り組んでもらえている気がしています。

─────研究会を実施したことによる参加者の変化や効果を感じた点があれば教えてください。

羽鳥様:具体的な例の一つは、サプライチェーンマネジメントのチームが配送時に排出されるCO2量を自動で算出できるシステムを創り、CO2を見える化したことです。このチームは、研究会終了後も活動を続けてくれ、最終的に社外パートナーを巻き込む施策にまで発展させ、その結果社外表彰までいただくことができました。

サステナビリティのテーマはとても広いですが、その分どの部署でも取り組めることはあるかなと感じます。

相互理解などの副次的な効果も

─────改めてどんなやりがいを感じるか教えてください。

羽鳥様:もちろん6回だけで全ての人がアウトプットを出せるわけではないですが、それでも、研究会が終わった後に「うちの部署でも新しいサステナビリティに関するこういう取り組みを始めたい」といった、業務に繋がる声が増えてきたことがとても嬉しいです。

研究会をきっかけに、各自が業務でサステナビリティを実践していくことがこの活動の本質なので、そのような声が聞けるときは「やってよかった」と強く思います。

─────研究会のように部門横断で定期的に話す機会があること自体が、組織のコミュニケーション活性化にも繋がりそうですね。

羽鳥様:それはすごく感じます。サステナビリティを理解・実践するためのディスカッションを通して、他の部署がどんな仕事をしているのか相互理解に繋がっていると思います。

五十嵐様:私はサステナブルなグッズを「ZAIMA」というECサイトで販売する部門の人と同じチームだったのですが、知らなかったことも沢山ありましたし、知れたことで私が担当している「MaaR for business」でも活用できそうなアイデアが見つかりました。

サステナブルなアクションを身近に沢山増やしていく未来を目指して

─────最後に、お二人の今後の目標や展望を教えてください。

五十嵐様:サステナビリティ研究会に参加したことで、「ゴミをどのくらい減らせば、CO2が何キロ減るのか」といった数字感覚を掴むことができました。でも、まだ多くの方にとって、「CO2を○○トン減らす」ということが、どの程度のことなのか掴みにくい状態だと思います。

ダイエットの際に意識するカロリー表示ぐらいに、CO2に関する数字が身近になれば、自分ゴトにも近づくと思うので、今担当している「MaaR for business」を通して、資源の循環を促進するだけでなく、身近なサステナビリティの浸透の面においても訴求をして行きたいです。

羽鳥様:五十嵐さんも言っているように、結局サステナブルなアクションが身近にないと自分ゴトにするのは難しいと思っています。そのため、日々の業務や事業を通じたサステナビリティの追求が最優先であり続けますが、いずれはオフィス外や日常生活でもみんながサステナブルなアクションを自然に無理なくできるような取り組みにまで、その裾野を広げていきたいです。

例えば、従業員が自宅で再生可能エネルギーを使用できるようにサポートするなど、会社ができることも沢山あるとみんな思っています。

また、今はサステナビリティ部が中心となって社内浸透を進めていますが、いつかは各部署でサステナビリティが当たり前となり、この部署が必要なくなる状態にすることも一つの目標として考えています。

─────羽鳥様・五十嵐様、ありがとうございました。

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【株式会社TBM】
「進みたい未来へ、橋を架ける」をミッションに掲げ、何百年も挑戦し続ける時代の架け橋となる会社として「サステナビリティ革命」の実現を目指し、環境配慮型の素材開発および製品販売、資源循環を促進する事業などを国内外で展開する。

公式HP:https://tb-m.com/      
本社住所:東京都千代田区有楽町1-2-2 東宝日比谷ビル15F

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