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【総研ブログ】COP30開幕!国際的枠組みの変遷から考える注目キーワード「ネイチャーCOP」とは?

S.ENDO
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2025年11月10日から21日の日程でUNFCCC-COP30(以下、「COP30」)がブラジルで開催されます。

今回は、カーボンニュートラル総研のS.ENDOがこれまでの気候変動に関する国際的な枠組みの3つの重要なマイルストーンを振り返った後、今回のCOP30について、特に注目すべきテーマを挙げます。

なお、以下、「COP」は全て、「UNFCCC-COP」の略です。 

気候変動に関する国際的枠組みの変遷

現在の気候変動に関する国際的な枠組みの大元は、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)です。  1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された地球環境サミットにて採択されました。ほぼ全ての国連加盟国が参加していることと、気候変動に関して途上国と先進国は「共通だが差異ある責任」を持つという原則を定めたことが大きな特徴です。一方で、今後の議論や行動の基になる枠組みのみを決めたもので具体的な行動や目標などは盛り込まれていませんでした。

次のマイルストーンは、1997年に採択された京都議定書です。これは、初めて法的拘束力を持つ温室効果ガスの削減目標を課した点で画期的でした。結果として、第一拘束期間、第二拘束期間ともに全体としては目標を達成しましたが、第一拘束期間では米国が、第二拘束期間では日本、ロシア、カナダなどが離脱しており、地球全体の温室効果ガス削減に対しては限定的であったことが課題として残されました。

そして、京都議定書の課題を受けて、新しい枠組みとして登場したのが、パリ協定です。2015年のCOP21で採択され、全ての国が参加することが決められました。そして、グローバルストックテイク(GST)という、各国が経済状況等に応じて自主的に国別貢献目標(NDC)を定め、5年ごとに世界全体の目標達成状況を確認してPDCAサイクルを回す仕組みがとられています。現在の国際的な気候変動対策は、このパリ協定がベースとなっています。

COP30のキーワード

2023年のCOP28では、1.5℃目標達成のためには、化石燃料から脱却し2030年までに再生可能エネルギー容量を3倍にし、且つ省エネ改善率を2倍とすることが必要であることが明らかとなり、加盟国で合意に達しました。また、初めてGSTの成果文書が出され、各国は2025年までに2035年目標を立てることとなりました。そして、COP29では気候資金に関する新規合同数値目標に合意し、パリ協定6条(炭素市場等)に関するルールが決定し完全運用が実現しました。一方で、より高い2035年目標を設定する機運は高まらずに終了しています。

さて、今回のCOP30では、「各国の2035年目標がどこまで積み上がるか」、「途上国向けの資金支援策を具体化できるか」、「炭素市場の国際連携と信頼性を向上させる仕組みを構築できるか」など、様々なテーマが議論されますが、多くの人が注目するキーワードを一つだけ挙げるとすれば「ネイチャーCOP」です。

ネイチャーCOPとはCOP30を象徴する通称のこと。ホスト国であるブラジルは世界最大の熱帯林を抱えており、森林破壊や生物多様性保全に対して熱心に取り組んでいることが背景にあります。最新の研究成果で気候変動や森林破壊により、アマゾンの熱帯林が二酸化炭素の”吸収源”から”排出源”になっていることが分かってきています。

また、ネイチャーCOPの具体的な成果として、COP28でブラジルが提案した熱帯林保全基金「Tropical Forests Forever Facility (TFFF)」が正式に発足する予定とされています。
このTFFFは、先住民へ拠出金の20%を直接配分することとしています。先住民が培ってきた様々な知恵が森林保護に役立つことが分かっており、その活用を促すためです。また、森林を伐採せずに保護することを国家単位で行う仕組みとなっており、衛星による監視を行うことが想定されています。

熱帯林の多くは、伐採などの人為的な影響に脆弱とされ、一度伐採してしまうと元に戻らないと言われています。ここで勘違いしてはいけないのは、日本国内の人工林と熱帯林は異なるということです。日本国内の人工林は、間伐などの適切な手入れを行わないと優良な木材生産が行えないことに加え、土砂災害などを引き起こすことにも繋がってしまいます。森林=保護という単純なものではなく、各々の森林の状況に応じて適切な管理が必要なのです。特に、一度人の手が入った人工林は継続して手入れすることで健全な森林を維持することが出来ます。

まとめ

COP28では1.5℃目標の達成がこのままでは難しいことが明らかになりました。それを受けてCOP30では、今後各国がどこまでNDCを野心的に積み上げていくことが出来るのか、が問われています。

開催都市であるブラジルのベレンは、アマゾン地域の輸出拠点として大航海時代から栄えてきた一方、違法伐採された木材の輸出拠点としても知られています。象徴的な地であるベレンで、効果的な森林保護や生物多様性保全の枠組みが合意できるのか、具体策としてのTFFFが正式発足できるのか、11月10日から始まるネイチャーCOPに注目です。

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