概要
海上土木に強みを持つ総合建設会社の東亜建設工業株式会社様。今回、法人としての設立100周年を機に社内向けに行動指針を策定し、社外向けにコーポレートメッセージを策定した。また策定後は、行動指針の浸透活動としてオンライン共有ミーティングを実施し、コーポレートメッセージをHPやムービーの形式で社外に向けて発信した。前編では、新行動指針の策定について取り上げる。
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より前向きな会社へ。長期ビジョンの実現に向けて、社員が持つべき考え方を言語化したい
─────今回、広報室として取り組みを始めたきっかけや経緯を教えてください。
北川様:検討を始めた契機は2020年1月に法人として設立100周年を迎えることでした。社長の秋山から直接「100周年を機に、改めて社員が前を向き、モチベーションを高めていけるような明るい取り組みを行いたい」と広報室に話がありました。そこで、まず他社の事例を集めることから始め、2018年7月に宣伝会議で行われた周年事業のセミナーに参加しました。そこにちょうどフォワード(現:バイウィル)の加藤さんが登壇されていて、話を聞いたのが最初でしたね。
経営企画部 広報室長 北川欽一 様
──周年をきっかけに検討を開始したということですが、どうして”行動指針”に着目したのでしょうか。
北川様:10年後に目指す姿として長期ビジョン「TOA2030」を策定していたのですが、それを実現するためにも、長期ビジョンの達成に向けて社員が持つべき考え方や価値観を示す行動指針を策定しようと考えました。当初は社外向けのコーポレートメッセージのみを改定する方向で話していたのですが、フォワード(現:バイウィル)さんから「日々の業務の中で活用できるような判断基準を社員目線で明確にした方がいいのではないか」とご提案をいただきました。そのため、まず社内向けに行動指針を定め、それを基に社外に向けたコーポレートメッセージを策定することにしました。
「会社は変えられる」想いを胸にプロジェクトスタート。新行動指針として掲げられた4つのキーワードに基づき、社員の意識や行動が変わりつつある実感も。
─────そういった背景で始まった新行動指針の策定をワークショップ形式にて進められたとのことですが、30代~40代で管理職になる前のメンバーを中心に人選をされたそうですね。どういった意図があったのでしょうか。
北川様:経営陣の中には、5年~10年先の未来を創り、当社を引っ張っていくような若い社員たちに奮起してほしいという想いがあったと思います。今回の議論の土台となる中期経営計画自体の策定にも一部若手メンバーが参画していたという下地もありました。比較的若く現場感覚のある社員の意見を取り入れることで、現場で働いている社員から共感を集められる内容にしたいという考えもありました。
フォワード(現:バイウィル):プロジェクトメンバーに対する期待として、社長からは「会社の活力には若手社員の元気さが必要だ。今回のプロジェクトも、会社一体で取り組むという方向を作っていって欲しい」、副社長からは「会社を変えていく、会社は変えられる、という期待を持って取り組んで欲しい」という、参画へのコミットメントが高まるメッセージを拝見したのも印象に残っています。
─────経営層プレゼンでの承認を経て、新行動指針は4つのキーワードとしてまとめられました。ここにはどんな想いが込められていますか。また、新行動指針を社員が体現した象徴的なエピソードがあれば教えてください。
山崎様:社員一人ひとりがなりたい姿を見つけ、そのために日々挑戦し成長し続ける企業であること、また変化を恐れずにスピーディーに対応していく企業であること、そんな想いが込められていると思います。
新行動指針を体現したエピソードで言えば、プロジェクトのある女性メンバーのことなのですが、新行動指針の紹介ページを社内イントラ向けに作ったときに、もっと格好よくしたいと自ら声を上げてくれました。また、4月にある新入社員研修で新行動指針について教える時間があって、本来なら広報室の私か北川が担当するところだったのですが、「協力するよ」と自主的に言ってくれた社員もいましたね。
経営企画部 広報室 兼 企画課 山崎晃 様
北川様:他にも社内で新しい取り組みが生まれ始めています。直近の中期経営計画の中でSDGsへの貢献やESG経営の推進について発信しているのですが、その流れで海洋プラスチックの問題について取り組みを始めようかという話が出てきています。また、先日HPにリリースを出しましたが、弊社が強みを持つ冷蔵倉庫において「冷蔵倉庫の相談室」というお客様からの相談窓口を新たに設置しました。そういった今までにないアイディアが社員から生まれ始めていることを感じる一方、浸透活動はまだ道半ばでして2021年度から本格的に取り組んでいく予定です。
フォワード(現:バイウィル):今いただいたお話も、社員の方々が主体的に業務に取り組んでいる様子から日々挑戦し続ける「一歩先へ」の要素がうかがえますし、SDGsやESGといったテーマで取り組みを始められていることに関しても、世の中の変化に対応し過去にとらわれない柔軟さを持ち続ける「しなやかさ」を感じさせ、まさに新行動指針を体現しているものと言えますね。
後編へ続く
担当者の想い
事務局、ワークショップ参加者の皆様が、プロジェクトを通して、新行動指針「しなやかに!」「俊敏に!」「自分らしく!」「一歩先へ!」のお手本を示してくださったことが印象的でした。
実はキックオフ直後に緊急事態宣言が発令され、プロジェクトをどう推進していくかという課題が発生しました。業務特性上、リモートワークやオンライン会議等はあまり行っていないとのことでしたが、今回はTeamsやZoom等を活用し、オンラインでプロジェクトを推進するという、柔軟かつチャレンジングなご判断をしていただきました。
ワークショップ参加者の皆様も、日々の業務に加えてワークショップ参加、宿題、追加の議論と、かなりのハードスケジュールだったと思いますが、事務局のサポートもあり、「自分たちが会社を変えていくんだ!」という熱い想いをもって真摯に取り組んでくださいました。
新行動指針を掲げ、先頭に立って新しいことに取り組む皆様の姿が、「共有ミーティング」(後編にて詳しく紹介しています)を通じて、他の社員の皆様にも伝わり、非常に良いフィードバックをいただけたことは、何よりも嬉しく感じました。
今後も、社員の皆様ひとり一人が新行動指針を実践し、長期ビジョン実現はもちろん、今よりもさらに皆様が「良い会社だな」と感じる企業に発展されますことを、心より願っております。(フォワード(現:バイウィル) 古家)