こんにちは!インターン生の国本千楓です。

コロナウイルスが蔓延し自粛によって家で過ごす時間がだいぶ長くなりましたね…
そこで私は、おうち時間を気持ちよく過ごすために断捨離を行いました!

もう着ない衣服を捨てるのももったいないなあと思い、初めてH&Mの回収ボックスを利用してみたのですが、実際にお店に行って回収ボックスを使ってみると、「回収された衣類はリサイクルされます」と書いてあることに気が付きました。

最近「SDGs」について耳にすることが多いですが、実際のところ、色々なブランドがどのようにSDGsと関わっているのだろう。そんな疑問から私は「ブランド×SDGs」の事例に興味を持ち、調べてみました。

H&Mが展開している「ブランド価値に繋がる」SDGsの取り組み

アパレル企業のSDGsの取り組みでよくあるものとしては、リサイクル素材を使用した商品(洋服)や、余って捨てる予定だった食材を染材として使用した商品です。特に私がよく見かけるのは海洋プラスチックゴミ(主にペットボトル)を使用した商品です。皆さんも一度は見かけたことがあるのではないでしょうか?

しかし今回ご紹介するH&Mの二つの事例は少し違った工夫がみられると思います。

① ポイントが貯まる古着回収ボックス

最初にご紹介するのは、私も体験した古着回収ボックスの事例です。H&Mでは、店内に古着回収ボックスを配置し、ブランドや状態を問わず、不要となったシーツや衣類、ラグなどホームテキスタイルを回収し、1袋の持ち込みにつき3000円以上の購入で使える500円オフのクーポンをもらうことができます。(1日に最大2枚まで)

この取り組みのポイントは、クーポンという仕組みが、消費者がボックスを利用する上でのインセンティブ(トクをする)になっているということです。

そして、もらえるのはクーポンだけではありません。「Consciousポイント」というものも受け取れます。「Consciousポイント」というのはH&Mの会員プログラムに組み込まれた1つのシステムで、この古着回収以外にも、エコバック持参やサスティナブル素材を使った商品の購入などでもポイントが付与される仕組みになっていて(100ポイントたまると300円オフクーポンが付与)、色々な角度から、消費者がSDGsの取り組みに参加でき、かつおトクな設計になっています。※下の画像はH&Mアプリ内の「Consiousポイント」の説明

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②衣服のリサイクルを目の前で!

次にご紹介するのは、衣類から衣類のリサイクルシステム「Looop」(ループ)です。「Looop」は複数の古着を分解して組み合わせ、新しい服を生み出す技術を使用しています。このシステムによって古着は、新たなファッションアイテムに生まれ変わります。これはまだ日本の店舗にはなく、2020年にスウェーデンのドロットニンガータン店で初めて導入されたシステムなのですが、洋服のリサイクル過程を店舗で直接見ることができるというのがとても画期的です。


この取り組みのポイントは、消費者には通常見えないリサイクルの過程を直接目の前で見ることができるということ自体にエンタテイメント性があること、それによってサステナビリティの取り組みが「自分ごと化」され、興味を持ちやすくなるということにあると思います。実際、私も「Looop」を調べていて、見てみたいと感じました!

また、H&Mのロイヤリティ・プログラムに加入している人は日本円約1200円、加入していない人でも1700円で、このシステムを利用して古着を新しいアイテムにリサイクルすることができます。

「SDGs×ブランディング」の実行ステージ

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こちらは、弊社が考える「SDGs」の取り組みをブランドの価値に接続していく上での考え方です。

今回ご紹介した2つの事例と照らし合わせてみると、回収ボックスの事例は、店舗にわかりやすく回収ボックスを設置しているという点で「Stage2認知獲得」という機能も果たし、かつ、古着ボックスを活用してくれた顧客にクーポンやポイント(顧客にとってのベネフィット)を提供しているという点では「Stage3価値創出」という機能も果たしていると言えます。

「Looop」は、回収ボックスと同様に、店舗の中にシステムを設置していることで認知獲得を果たし、かつ「見ること自体が楽しい」「サステナビリティへの貢献実感を得やすい」という心理的ベネフィットを提供するという意味で価値創出機能も果たしているといえます。

今回はH&Mの事例について取り上げてみました!このブログが、皆さんの「SDGs×ブランディング」の取り組みを考える助けになればうれしいです!