このシリーズでは、2022年にリブランディングを実施した企業に注目し、事例をご紹介しています。
前回の記事では、「旅行・ホテル業界編」をお届けしました。Part2の今回は、主に「Webサービス」を展開する企業のリブランディング事例をまとめています。
日々市場環境・競争環境が変化していく社会の中で、企業が顧客から選ばれ続けていくために行わるリブランディングですが、具体的にはどのようなリニューアルや、新たな価値が創出されたのでしょうか?
リブランディングとは?
そもそも私たちは、ブランド=「様々な顧客接点での体験を通じて、消費者・顧客の中に出来上がる価値(イメージ)の総体」と定義しています。簡単に言ってしまうと、「ブランド=価値」です。と考えると、「リブランディング=価値の再定義」となります。ー
これらの手段に絶対的な正解はありません。再定義された価値が以前のものと大きく変わるようであれば顧客接点も大きく変える必要がありますが、それほど大きく変わらない場合であればその必要はありません。大きな変更を行うということは、それまで培ってきたブランド資産を失うということでもあります。
「リブランディング=ロゴを変更すること」のようなイメージを持ってしまいがちですが、あくまで大切なのは「ブランド価値をどのように再定義するか」と「その内容に合わせて適切な手段で伝えていくこと」です。
2022年にリブランディングを行った企業 ②Webサービス編
2022年にリブランディングを行ったWebサービス業界の企業の事例をご紹介します。
※本記事は、ウェブ上に公開されている情報に基づいて作成しています。
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事例①note株式会社
【背景】
誰でも自分のコンテンツを発表したり、有料で販売したりと様々な機能を展開することで、あらゆるクリエイターの活動を後押ししてきた結果、大きな経済圏(クリエイターエコノミー)を生み出すことに繋がったというnote。より一層、日本が世界に誇るクリエイター文化の価値向上に貢献していくという想いから、ロゴをはじめとしたVI((ヴィジュアル・アイデンティティ))のリブランディングを行いました。
【目的】
これまでのロゴは、ノートを意識したデザインになっていましたが、ものづくり、アート、ゲーム、スポーツ、あらゆる人々の営みがnoteで生まれている実態に即したデザインのロゴマークにすることで、今まで以上に多様な創作活動を応援していくこととしています。
【実施したこと】
- ロゴのリニューアル
- モーショングラフィックスとサウンドロゴのリニューアル
- オリジナルフォントの作成
(参照)
・2022/12/21 note株式会社
noteはロゴをリニューアルしました
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000159.000017890.html
事例②株式会社MIXI
【背景】
これまでの取り組みを振り返り、会社が追求している本質的に大切なものを改めて見つめ直した結果、「私たちが提供するコミュニケーションサービスは単にネットワークをつなぐだけのものではなく、きちんと人々の心もつなぐものだ」ということにたどり着いたことがきっかけだそうです。
【目的】
「心もつなぐコミュニケーション」を通して、今後より一層多くの人々の人生をより楽しく豊かにする企業活動を続けていくための指針とするため、コーポレートブランドのリブランディングを行いました。
【実施したこと】
- パーパスの制定 ~「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」
- ミッションの制定 ~「『心もつながる』場と機会の創造。」
- ミクシィ・ウェイの制定 ~「ユーザーサプライズファースト」
- コーポレートブランドロゴのリニューアル
(新ロゴは太く、堂々とした大文字で、世界のコミュニケーションインフラとしての信頼感、安定感、普遍性、リーディングカンパニーとしての存在感を表現。ミクシィのブランドを世界中に力強く訴求して、強い求心力を生み出せるようにボールドな書体にしたということです。) - 新タグラインの創出 ~「心もつなごう。」
(参照)
・2022/1/4 株式会社MIXI プレスリリース
「コーポレートブランドリニューアルのお知らせ」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000252.000025121.html
事例③株式会社AppBrew(国内最大級の美容クチコミプラットフォーム「LIPS」のリブランディング)
【背景】
利用層が10代・20代の女性だけでなく、年代や性別を問わず幅広くなってきたことから、特定のジェンダーや年齢層に縛られないブランドとしてアップデートしていきたいという想いがあったそうです。
【目的】
「男性やこれまで自分向けでないと感じていたユーザーにも受け入れられること」「既存ユーザーが年齢を重ねても共に成長し寄り添えるサービスであること」を目的に、ロゴの変更を行いました。サービスを象徴するアイコンとしてこれまでも親しまれてきた鹿のアイコンを残したまま、幅広いユーザーを対象としたデザインを目指したということです。
【実施したこと】
- サービスロゴのリニューアル
- ロゴリニューアルに伴う、プロモーションページの開設
- デザインシステムページの開設
(参照)
・2022/10/24 株式会社AppBrew プレスリリース
「国内最大級の美容クチコミプラットフォーム「LIPS」、ロゴのリデザインを本日発表!」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000079.000018721.html
・LIPSのロゴが生まれ変わりました
https://lipscosme.com/newdesign_logo
「LIPS Design System」
https://lipscosme.com/design_system
事例④dely株式会社(レシピプラットフォーム「クラシル」のブランドをリニューアル)
【背景】
コロナ禍を経て自宅で調理頻度が増え、年齢や性別に関わらず、全ての方にとって料理が身近になったことから、これまで以上に便利で、楽しい料理体験を提供するプラットフォームへと進化する必要があったということです。
【目的】
「レシピが見つかる場所」から「料理がしたくなる場所」になることを目指して、「クラシル」が新たに提供するサービスの価値・機能をより分かりやすく伝えるため、ブランド全体のリニューアルを実施しました。
【実施したこと】
- ブランドコンセプトの刷新
- ロゴのリニューアル
- ブランドカラー・パターン・アイコンの創出
- リブランディング特設サイトの開設
- ブランドリニューアルに伴うイベントを開催
(参照)
・2022/11/1 dely株式会社 プレスリリース
国内No.1のレシピプラットフォーム「クラシル」、12月1日にブランドリニューアルhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000292.000019382.html
・2022/12/1 dely株式会社 プレスリリース
「クラシル」がブランドをリニューアルし、クリエイターエコノミーを推進https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000295.000019382.html
・クラシルサービスサイト
https://www.kurashiru.com/rebrand
最後までご覧いただきありがとうございました。