こんにちは。
インターン生の海野です。

近年では、ミッション・ビジョン・バリューなどに加えて、新たにパーパスを策定する企業が多く見られます。

パーパスを企業活動の軸とすると、企業の目指す方向性が明確になり、一貫性を保ちながら様々な企業活動を展開することができるようになります。そのようにパーパスを機能させるためには、ただ策定するだけではなく、パーパスに入れる要素や策定前後の施策を工夫することが必要です。

今回のブログでは、2022年にパーパスを策定し、パーパスを軸とした企業活動を展開している企業3社の事例をご紹介します。

 パーパスとは?

私たちは、パーパスを「企業・ブランドが社会の中でどのような価値を提供するために存在しているのかを表したもの」と定義しており、端的に言うと「社会的存在意義」となります。
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そして、全ての企業活動の軸として機能するパーパスを策定するためには、「自社らしさ」「社会的価値」の2つの要素を含めることが重要です。

まず、投資家や消費者からの共感を得るためには「社会的価値」が不可欠ですが、実際に企業活動を行う社員・従業員からの共感を得るためには、「なぜ自社がそれを目指すのか」「どうやって自社がそれを実現するのか」に納得してもらう必要があり、そのためには「自社らしさ」の要素も欠かせません。

また、「社会的価値」だけではどうしても抽象的な言葉になり、同じ業界ではどの企業も同じような内容になりがちですが、「自社らしさ」の要素を意識的に組み込むことで、より具体的なイメージを持ちやすくなるという効果もあります。

上記のような点を踏まえた、詳しいパーパス策定のプロセスについてはこちらの記事(https://www.forward-inc.co.jp/blog/2022/04/12)をご覧ください。

パーパスを策定することによる効果としては、社外視点では、社会課題解決の推進・イノベーションの創出・パーパスに共感するファンの獲得などが、社内視点では、多様な人材を束ねる求心力の向上・社員のエンゲージメントの向上などが考えられます。

2022年 パーパスを策定した企業

それでは、2022年にパーパスを策定した3社の事例をご紹介します。

 

 

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※本記事は、ウェブ上に公開されている情報に基づいて作成しています。
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事例① カンロ株式会社

【パーパス】

「Sweeten the Future ~心がひとつぶ、大きくなる。~」

 

【背景・目的】

カンロは「KanroVision2030」を元に、変化が激しく、先行きが不透明・不確実な時代の中、カンロがこれまで歩んできた道程を確認の上、自分たちの未来への想いを言語化し、企業パーパス「Sweeten the Future ~心がひとつぶ、大きくなる。~」を定めたそうです。糖から未来をつくり、糖の力を引き出す事に挑み続けてきたカンロが企業活動の中で培った技術をさらに進化させることで、 「心がひとつぶ大きくなる」瞬間を積み重ねて人と社会の持続可能な未来に貢献するという思いが込められているとのことです。糖に向き合ってきたカンロならではの社会貢献の在り方が表れたパーパスであると言えます。

 

【パーパス策定時に実施したこと】

  • 理念体系の見直し
  • ロゴマークのリニューアル
  • パーパスを起点とした中期経営計画の作成

【パーパス策定後について】

パーパスに基づいて策定された中期経営計画で示されたことが実行されています。例えば、Z世代向けの商品やプラントベース商品の発売、デジタルプラットフォーム「Kanro POCKeT」のサービスの展開などが挙げられます。新商品・新サービスを発表するプレスリリースの最後にカンロのパーパスを紹介する文が掲載されているという点からも、パーパスを意識して事業を展開していくという姿勢が感じられます。

 

(参照)

 

事例② オンワード商事株式会社

【パーパス】

「ヒトと地球(ホシ)の、明日(あした)の笑顔をデザインしつづける。」

 

【背景・目的】

業界を取り巻く社会環境の変化に対応していくため、またお客様のさらなる期待に応えるため、パーパスを策定したそうです。パーパスには、これまで培ってきたお客様に寄り添ったソリューション提案力と、総合アパレルグループとしてのノウハウ、チームマーチャンダイジングを活かして、お客様や世の中に新しい価値を提案することにより、笑顔を生み出しつづけていきたいという想いが込められているということです。

総合アパレルグループとして事業を行ってきた経験とこれまで培ってきた提案力という自社ならではの強みを活かして、人の思いを叶え、それが笑顔を生み、より良い未来を作るというパーパスになっており、「自社らしさ」と「社会的価値」の両方が含まれていると言えます。

 

【パーパス策定時に実施したこと】

  • バリューの策定
  • パーパスムービーの作成

【パーパス策定後について】

オンワード商事の公式ホームページでは、これまでのオンワード商事と顧客との関係性の中で、今回策定されたパーパスを体現してきたストーリーを対談形式で紹介しています。パーパス策定時に過去の事例を発表するだけでなく、最新の事例を更新しているという点から、パーパスを事業活動の中で継続的に追求していくという姿勢が伝わります。

 

(参照)

事例③ ブロードマインド株式会社

【パーパス】

「金融の力を解き放つ」

 

【背景・目的】

20213月のマザーズ市場への上場や、20221月に迎えた20周年を機に、ミッションやロゴなどを改定し、新たにパーパスを策定したそうです。ブロードマインドがこれまで築いてきた企業価値やこれから目指すべきところを明文化し、理念体系を刷新することでさらなる挑戦・飛躍を生み出していくとのことです。

具体的には、これまでブロードマインドが築いてきた、「生活者と金融知識を分け合い、一人ひとりの夢に寄り添い伴走することで、思い描くライフプランの実現に向けて生活者の視界を切り開く」という企業価値を再定義・再認識し、これからもフィナンシャルパートナーとして“誰のための金融か”を問い続け、これまでの金融業界の既成概念に捉われない金融サービスを開発・提供することで、「あるべき姿の金融」を社会に実装することを目指すということだそうです。

自社だからこそ提供できる価値を再確認し、パーパスとして明文化することによって、より明確な企業活動の軸として機能すると考えられます。

 

【パーパス策定時に実施したこと】

  • ミッション・バリューズの策定
  • スローガンの策定
  • コーポレートロゴのリニューアル
  • コンセプトムービーの作成
  • コーポレートサイトのリニューアル

【パーパス策定後について】

パーパス策定後、パーパスとの接続が感じられる新サービスの提供が開始されています。例えば、金融サービスを提供するユーザーとFPが顧客のライフプランを通じて双方向にコミュニケーションが取れる事業者向けの「マネパスwithFP」、一般のユーザーがFPさながらのライフプランニングをすることが出来る「マネパスhandy」、ウェルビーイングを構成する要素のうち「ファイナンシャル・ウェルビーイング」に焦点を当てた企業従業員向けのプログラム『ブロっこり』などからは、パーパスに込められている「人の歩みを手助けする本来の金融の姿」を目指す姿勢が感じられます。

 

(参照)

 


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