こんにちは。
最近息子から「マックス!」と呼ばれている早川です。※マックス=ベイマックスの略。
今回のコラムは、前職リンクアンドモチベーションにて約6年間人材採用のコンサルタントとして従事し、そこで得た学びと経験を踏まえ、企業ブランドと採用ブランドの相関関係について述べたいと思います。
1、「採用ブランドの高低」がもたらす、企業ブランドへの影響
2、「企業ブランドの高低」がもたらす、採用ブランドへの影響
の2つの観点で説明します。
※本コラム内では、下記のとおり定義しております。
企業ブランド=消費者・取引先・従業員
採用ブランド=採用応募者
1、「採用ブランドの高低」がもたらす、企業ブランドへの影響は?
採用ブランドが高いことは、リクナビ・マイナビ等の媒体各社が発表する人気企業ランキング上位であることではありません。
集計ロジックを把握~適切な投資をすることで実現できてしまうランキング形式は本質的ではないため、「採用ブランドが高い=過度な投資をせずとも、競合と比較して、優秀な人材を獲得できていること」という前提で話をします。
シンプル&大胆に考えると、採用ブランドが高いと以下のように企業ブランドに好影響を与えるのは間違いありません。
①採用ブランドが高い=優秀な人材を獲得できている
↓
②入社後、成果を出す可能性が高い。(育成ありきです。)
↓
③組織に良い刺激を与える可能性が高い。(=従業員へのブランド向上に寄与)
↓
④BtoCなら消費者、BtoBなら取引先から選ばれる。
要は、優秀な人材を獲得できれば、いずれ消費者や取引先からの共感の総量が高まり、売上が上がるという事になる訳です。
この中で大切なことは、
「自社にとって、優秀な人材とは何か?を定める」
「優秀な人材を“獲得し続ける”ための活動を怠らない」
の2つです。
【自社にとって優秀な人材とは何か?を定める】
採用は企業の10年先を決める重要投資活動であり、「人材力で事業戦略が決まる(企業は人なり)」の考えのもと、「入りたい人材を選ぶのではなく、採りたい人材を口説く」スタンスが大切です。
“自社にとって”優秀な人材とは何か?を定める際には、
・”自社の身の丈を超える”人物像のキャラクタライズ
・採用ポートフォリオ(文系×エリア、職種×男女、役割×価値観別等)
の整備をすすめることが求められます。
【優秀な人材を“獲得し続ける”ための活動を怠らない】
採用ブランドはそう簡単に出来上がるものではなく、ブランド力を高める活動を毎年継続する事で徐々に蓄積されていくものですが、そのステップは分解すると以下のようになります。
①同質化(まずは選択肢に入る)
↓
②差別化(他社と比較した際の自社の魅力を伝える)
↓
③オンリーワン化(自社に有利な軸を応募者に埋め込み、選ばせる)
企業のブランディング活動と同じですね。
その中でも最も大切なのは②差別化ですが、採用ブランド上で他社と差別化を図る活動の要素は3つに分かれます。
「接触回数」×「接触時間」×「満足度」
何度も、時間をかけて、他社と比較した時の自社の魅力を伝えきる。
これにつきます。
「回数」や「時間」も重要な要素なので、どうしても一定の工数はかかります。一方で、前述の”自社にとって優秀な人材”へのターゲティング(=採りたくない人材には刺さらなくてよいという覚悟)による効率化も大切です。
2、「企業ブランドの高低」がもたらす、採用ブランドへの影響は?
「企業ブランドが高いこと」は、
・消費者に対して、選択コストを削減し、他社より価格が高くとも選ばれていること
・取引先に対して、プッシュせずともネットワークが拡大し、有利な取引条件を獲得できていること
・従業員に対して、ロイヤリティを獲得できていること
として話をすすめます。
こちらも、企業ブランドが高いと採用ブランドに好影響を与えるのは間違いありません。
①企業ブランドが高い=消費者・取引先・従業員に選ばれている
↓
②事業競合よりも、売上や利益の実績が良い可能性が高い
↓
③併せて、右肩上がりの雰囲気で、従業員のイキイキしている可能性が高い
↓
④会社の魅力をファクトベースで伝えられ、応募者と話す従業員もイキイキしているので、優秀な人材から選ばれる。
要は、消費者・取引先からの共感の総量が高まり、売上が上がっているならば、より優秀な人材が採れるという事になる訳です。
この中で、大切なことは
「企業ブランドを“高め続ける”活動を怠らないこと」
「未来を定め、意志を持って発信・実現すること」
の2つです。
【企業ブランドを“高め続ける”活動を怠らないこと】
企業ブランドを“高め続ける”ためには、自社ブランドに共感し、それを守り、広げようと強く思う社員の存在が必要不可欠です。
そのような社員を多く創りだすためには、
・消費者や取引先にどんな価値を提供するブランドなのか?の明確化
・それを浸透させ維持させる、業務プロセスや組織ルールへの落とし込み
・消費者や取引先との接地面(広告・PR・営業パーソン等)への落とし込み
がポイントとなってきます。
【未来を定め、意志を持って発信・実現すること】
ほぼ上記に包含される話ではあるのですが、敢えて分けたのは「企業ブランドが高くなくとも、優秀な人材が採れるケース」があるからです。
人が会社を選択する時には、下記のいずれか、もしくは複数の魅力に惹かれて決断をします。
「A:素地(顧客基盤や財務状況)」
「B:目標(理念やビジョン)」
「C:活動(事業や仕事)」
「D:人(社員や風土)」
「E:条件(福利厚生や施設環境)」
例えば、アーリーベンチャーの場合、
・B=こんな世界を目指す!等
・C=こんな楽しいサービス!裁量権があり何処よりも成長できる!等
・D=すごい熱量でかつ賢い人材がいる!等
など特定の魅力を尖らせて、総合的に企業ブランドが高い(=採用ブランドが高い)会社を志望している学生を、逆転して獲得することは実際に多くあります。
つまり、企業ブランドは低いけど、採用ブランドが高い会社は存在するという事です。
今回のまとめは、企業ブランドと採用ブランドは密接に関係するという事です。
「採用ブランド高→企業ブランド高の可能性が高まる」
「企業ブランド高→採用ブランド高の可能性が高まる」
「企業ブランド低→採用ブランド高も存在する」
色々と書かせて頂きましたが、最終的には、文中にも出てきた言葉「企業は人なり」に集約されると考えています。
日々、色々な企業の方とお会いしていますが、社員の意識や行動レベルまでブランドが浸透している会社はやっぱり強いと感じます。
ベイマックス2が出る時までには、フォワード(現:バイウィル)も自分もさらに強くなります!!笑