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業界別ブランディングセオリー 「住宅業界の分譲事業」前編

伊佐 陽介
伊佐 陽介

目次

こんにちは。ご無沙汰しております。
取締役の伊佐です。

2014年のコラムでは、弊社のブランドコンサルティングの考え方、特にインナーブランディング領域のエッセンスを取り上げました。

2015年は定期的に、私がこれまでにお手伝いさせていただいた案件や、世間一般のブランディングに関する事例を取り上げつつ、

・業界別ブランディングセオリー
・ブランドトピック(事例から読み取れるブランディングの成功・失敗要因など)

をテーマに、皆さんにとって有益な情報が提供できるコラムを書きたいと思います。

さて、2015年最初のテーマは、『業界別ブランディングセオリー』です。

「ブランドづくり」「ブランディング」の概念やフレームワークなどは、様々な書籍などで紹介されていますが、このように感じたことはありませんか?

「言ってることは分かるけど、自分の会社や事業にどう活かせばいいか分からない」
「取り上げられている事例の業界が違いすぎて、同じことをして成功するイメージが全く湧かない」

業界・業態や事業内容はもちろん、企業の規模・社員や拠点の数・風土・マネジメントの仕方などによって、ブランディングを成功させるための要素は異なってくるのが当たり前です。

だからこそ、『業界別ブランディングセオリー』をテーマの一つとして挙げました。

これまで一般論として語られてきたブランディングの「セオリー」を敢えて業界別に落とし込むことで、より分かり易く役に立つ情報をお届けしていきたいと思います。

今回の業界は、「住宅業界(分譲事業)」です。

わざわざ分譲事業としているのは、ハウスメーカー・仲介・分譲と同じ住宅業界でも
そのモデルが大きく違うためで、今回は分譲事業としています。

 

「業界によって、これだけブランディングのアプローチに違いがある」
という事例として、ご紹介したいと思います。

というのも、私自身が新卒で総合不動産デベロッパーに入社したこともあり、これまで住宅事業者様と多くのお仕事をさせて頂きましたが、その中で、この業界のブランディングにおける特殊性を強く痛感しているからです。

分譲住宅業界ブランディングの前提として抑えるべき5つの要素

まず、「住宅業界(分譲事業)」のブランディングに取り組む上で、必ず踏まえておくべき業界の要素を挙げておきます。

①市場が(将来的に確実に)縮小し、寡占化が進んでいる
日本の世帯数は、2015年から(首都圏も2025年から)減少に転じます。
また、リーマンショック以降、いわゆる大手と呼ばれる不動産(住宅)デベロッパーが
拡大し、それらトップ集団以外は淘汰されていく傾向にあります。

消費者の住宅リテラシーが向上し、「売り手と買い手の情報格差」が縮小している
IT技術やデバイスの進化と、住宅情報に特化したプレイヤーの浸透によって、
消費者は、いつでも、簡単に、好きな条件で、物件を横比較できるようになりました。

③分譲住宅と消費者の接点は圧倒的に少なく、個人の買い物としては高額商品
住宅は、概ね生涯に1~2回程度、ローンを組んで、人生を掛ける勢いで購入する方が大半です。

④同じ商品が一つもない
立地条件や市況などによって、同じ企業が提供する住宅も千差万別にならざるを
得ません。ひとつのマンションでも、全く同じ間取りや価格の部屋はありません。

⑤「仕入れ」が非常に困難で、仕入れた土地に物件価値がかなり左右されてしまう
国内の住宅業界には『センミツ』という用語があります。
これは、1,000の土地情報の中で、仕入の俎上に乗る物件は3つしかないという意味で、
実際に仕入れることができるのはその中でも更に限られたものになります。

更に、仕入れた土地の立地環境・価格・法規制などによって、建物も含めた「物件」の価値まで概ね決まってしまう側面が強いのが、住宅分譲事業です。

これらの5つの要素が、いわゆる「一般的なブランディングのセオリー」をそのまま実践しようとしても中々上手くいかない状況を生み出しています。

まだこれだけでは、これらの要素が何故「一般的なブランディングセオリー」を阻害するのかイメージしにくいと思いますが、その詳細については次回コラムで述べたいと思います。

伊佐 陽介
執筆者:伊佐 陽介
稲田大学卒業後、一部上場総合不動産デベロッパーで住宅事業商品企画・販売、商業施設開発等に従事。その後株式会社リンクアンドモチベーションにてブランドマネジメント事業部コンサルティング責任者を経て、2013年株式会社フォワードを設立。“組織人事の専門性“と”マーケティングの専門性”を活かしたコンサルティングを得意とする。
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