最近、「サステナビリティ・ブランディング」のご相談が増え、その文脈で、パーパス策定や浸透に取り組む担当者様のお話をよく伺います。サステナビリティやパーパスは直近で非常に「流行」になっている感覚がありますが、実は我々フォワード(現:バイウィル)がこれまで取り組んできた「ブランディング」と深く関係しており、相互に影響を与えるものなのです。

今回は、創業当初からインナーブランディングや理念浸透に取り組んできたフォワード(現:バイウィル)が考える、「パーパス浸透のポイント」をお伝えします。

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パーパスの社内浸透はなぜ重要か?

前提としてパーパスは、社員の考え方や行動を通して社外に伝わっていくものです。社員が自社のパーパス(Why)に向けて行動した結果、それがあらゆる顧客接点に反映され、社会や顧客・消費者に価値を伝播していく流れになります。つまり、まずパーパスによって感化するべき相手は自社の社員であり、そのための浸透活動は必要不可欠だといえます。

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浸透活動を進める上で、パーパスに対して表立って反対されることは少ないと思います。社会的に意義があることだということは社員にも伝わるからです。でも、「パーパスって耳障りのいい言葉だけど、よく理解できない」「結局、何をしたらいいのか分からない」といった声は往々にしてあります。こういった声は出てきて当たり前だと捉えるべきで、その声に応えるためにも、パーパスがなぜ必要かを腹落ちさせ、パーパスを体現するためにどんな思考や行動が求められるか、丁寧に社員に伝えていかなくてはなりません。

 

パーパス社内浸透によって向かうべきゴールは?

ここで重要なことは、パーパスは策定して終わりではなく、社員一人ひとりがパーパスを意識した思考・行動を自発的に実践している状態を目指すことです。一般的に、パーパスとして定義される内容は非常に抽象的かつ達成する難易度が高いものです。社員にとって、現状の業務を着実に取り組んで達成できるものとイメージできることは少ないと思います。だからこそ「今の業務の内容や進め方でよいのだろうか。もっとこうした方がいいのではないか」という思考・行動がとられることがベストです。従業員全員がそのように考えられると非常に環境適応しやすい組織であるといえますし、経営上も非常に価値があります。

 

パーパス社内浸透の全体像

パーパス社内浸透のプロセスとしては、下記の5STEPを推奨しています。STEPごとの詳細は別のブログ記事で一つずつ解説しますが、重要なのは最終ゴールとして「従業員一人ひとりが、企業・ブランドのパーパスを意識した思考・行動を自発的に実践している状態」を目指すことです。

① 認知
② 理解
③ 共感
④ コミットメント
⑤ 自発的な行動

そして、最終ゴールとしてパーパスに向けた自発的な思考や行動がとられている状態を目指していくときに、上記5STEPの中でどこがボトルネックになっているかを見定めて浸透活動を進めることを意識しましょう。

さらに、浸透活動に取り組む前提として「何を浸透させるのか」が決まっていることが必要になります。企業によっては、パーパスに加え、ミッションやビジョン、スローガン、経営理念、ブランドなど様々な概念が存在し、それらが整理されていないことも多く見受けられます。そういった概念の構造が整理されないままで浸透活動に取り組んでも、社員に納得感は生まれにくいですし、成果も上がりにくいでしょう。


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パーパスの社内浸透を確実に進めるために必要なロードマップ

5STEPの浸透活動に着手する前に、まずはロードマップを作ることを推奨します。なぜなら、パーパスの浸透活動は半年や1年で何とかなるような話ではないからです。ロードマップの参考画像を下記に載せておりますが、KGI・KPI及び施策の全体像を前もって上位役職者と握っておくべきです。

よくある例として、浸透活動を始めて1年しか経っておらず道半ばなのにも関わらず、途中で止めてしまったり、また途中から別の概念が追加されて、何の浸透をしているのか分からなくなることが見受けられます。あるいは、浸透活動を担っている方の役割・権限が変わってしまった、部署が解散になってしまった、などという話もお聞きします。これは浸透される社員の側から見ても、「せっかく労力をかけたのに何だったのか」とネガティブに受け止められてしまいますね。

そのような状況を防ぐためにも、浸透活動のKGI・KPIと施策の全体像を3か年ぐらいで描くようにすると効果的です。浸透活動に取り組み始める前に、推進者側で描いて上位役職者とグリップしておくことが重要です。その時々の課題感で単発の施策を打つのはお勧めできません。

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最後までお読みいただきありがとうございました。
次は、パーパスを社内浸透させるための具体的な施策について、5STEPに分けて解説します。ぜひご覧ください。

パーパスを社内浸透させる5STEP~社員の「内発動機」を生み出すための具体的な施策例~

 

パーパスの”浸透”に取り組む前に、「パーパスとはそもそも何か」や「パーパスをどのように策定するべきか」にご関心がある方は下記もご覧ください。

パーパスとは何か?~いま求められる理由と策定のメリット~

パーパスとミッション・ビジョンの違い~曖昧になりがちな概念を体系的に整理する~

パーパスを策定するための3STEP~最も重要な「社員視点」を担保するために~

 

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「パーパス」の理解